漢方薬には副作用がなく、身体に優しいと思われることが多いです。

一般的に考えられているように、漢方薬は複数の生薬を組み合わせることで不都合な作用を抑えているので、西洋の薬に比べると副作用は少ないです。

しかし、副作用がまったくないということはなく、副作用やアレルギー反応が起こる可能性もあります。

麻黄や附子などの生薬は作用が強く、これらを含んだ漢方薬では血圧の上昇や発汗、のぼせなどの副作用が見られます。

また、地黄、麻黄、石膏を含む漢方薬では胃もたれ、食欲不振、吐き気などの副作用が見られます。

他にも桂皮、人参、大黄など、様々な生薬で副作用が起こる可能性があります。

副作用に気をつけたい生薬

漢方薬に使われる生薬のなかで、特に副作用に気をつける必要がある生薬は以下です。

麻黄

麻黄湯(まおうとう)、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)、越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)などに配合されています。

血圧上昇、動悸、発汗、食欲不振、吐き気などの副作用が現れることがあります。

桂皮

安中散(あんちゅうさん)、葛根湯(かっこんとう)、八味地黄丸(はちみじおうがん)などに配合されています。

発疹、瘙痒などの副作用が現れることがあります。

甘草

甘草湯(かんぞうとう)、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)、桔梗湯(ききょうとう)などに配合されています。

血圧の上昇、むくみ、だるさなどの副作用が現れることがあります。

石膏

消風散(しょうふうさん)、白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)、釣藤散(ちょうとうさん)などに配合されています。

胃もたれ、食欲不振、吐き気などの症状が現れることがあります。

附子

真武湯(しんぶとう)、桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)、八味地黄丸(はちみじおうがん)などに配合されています。

血圧上昇、動悸、発汗、のぼせなどの症状が現れることがあります。

大黄

大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)、大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)、防風通聖散(ぼうふうつうしょさん)などに配合されています。

下痢、腹痛などの症状が現れることがあります。

漢方薬の副作用を回避するには

漢方薬服用の際の副作用を避けるためには、に合った薬を飲むこと、同じ薬を長期服用しないことが大切です。

漢方薬には副作用がないと思い込まずに、新しい薬を飲み始めて2週間前後は、いつもと違う症状が出ないか注意する必要があります。

副作用の症状は様々ですので、少しでも違和感を感じたら処方した医師に相談するようにしましょう。

とは

証とは、「その時患者に現れた症状や様子を漢方医学的にとらえたもの」を意味します。

証にしたがって、治療や処方する薬を決定します。

病名に基づいて治療をする西洋医学とは異なり、漢方医学では患者の証に基づいて治療を行います。

そのため、同じ病気でも症状によって処方される薬や治療法などが異なることがあります。

気・血・水の量やめぐりの異常から判断する場合、生理機能をつかさどる五臓(心・肺・脾・肝・腎)の不調から判断する場合があります。

これらによって処方する漢方薬を決定し、治療が進むにしたがって変化していく証に合わせて、漢方薬も変更していくのが理想です。