椒梅湯とはどんな漢方薬なのか

椒梅湯(しょうばいとう)は回虫、いわゆる寄生虫の駆除に使われる漢方薬です。
子供の頃に寄生虫の卵を探すぎょう虫検査を受けた経験のある方も多いかと思います。現代の日本では衛生環境の整備が徹底されており、寄生虫の感染例は激減したため、ぎょう虫検査も2015年から廃止となりました。
しかし、有機栽培による自然食ブームや輸入食材など、十分な対策が取られていない食品から感染する場合もあり、絶対に安全だとは言い切れません。万が一、寄生虫に感染してしまったときにはこの椒梅湯が力になってくれることもあるでしょう。

配合されている生薬は以下の通りです。

烏梅(うばい)……生津(※喉の渇きを取る)作用、止渇作用、止嘔(※嘔吐を抑える)作用、安蛔(※蛔虫による腹痛を止める)作用などがある。
山椒(さんしょう)……温裏(※寒さを散らす)作用、止痛作用、駆虫(※寄生中を駆除する)作用などがある。
檳榔子(びんろうじ)……収斂(※体液を漏らさず集める)作用、健胃(※胃の機能を正常にする)作用、駆虫作用などがある。
枳実(きじつ)……健胃作用、化痰(※痰を除く)作用、通便作用などがある。
木香(もっこう)……止痛作用、健胃作用などがある。
縮砂(しゅくしゃ)……安胎(※妊娠を安定させる)作用、健胃作用などがある。
香附子(こうぶし)……疏肝(※肝の機能を高める)作用、調経(※月経を調節する)作用、止痛作用などがある。
桂皮(けいひ)……発汗作用、止痛作用、解肌(※発汗)作用などがある。
川棟子(せんれんし)……止痛作用、駆虫作用などがある。
厚朴(こうぼく)……整腸作用、健胃作用、去痰作用などがある。
甘草(かんぞう)……健胃作用、鎮痛作用、鎮痙作用、去痰作用などがある。
乾姜(かんきょう)……健胃作用、温裏作用、鎮痛作用、鎮痙作用、化痰作用などがある。

体内の回虫駆除と胃腸の調子を整えること、感染に伴う痛みや吐き気といった諸症状を緩和・改善させることを目的とした生薬で構成された漢方薬です。虫下しと胃薬が一緒になったものだとイメージするとわかりやすいかもしれません。

椒梅湯とは何の症状に効く漢方薬なのか

椒梅湯の効能は主に体内に感染した回虫の駆除に用いられます。

回虫は人間に感染するとその小腸に寄生します。小腸で大人しくしているうちは目立った症状が出ないことも多いのですが、吐き気や嘔吐、腹痛といった症状が出ることがあります。また、孵化した幼虫がほかの内臓器官に侵入することでもさまざまな症状が発生するようになります。例えば肺に侵入された場合、発熱、咳、喘鳴といった症状が生じ、膵管へ侵入された場合虫垂炎が生じることもあります。
回虫の感染に気付くことは難しく、排泄物の中から発見されたり、病院の検査で明らかになるといった場合が多いようです。
感染への対策としては食材をしっかりと洗う事、もしくは加熱調理することが望ましいです。

椒梅湯とはどのように使うものか

椒梅湯を煎じたものを服用します。なお、服用する際は安易に自己判断せず医師の診断を仰ぎ、用法用量を守って正しく使うようにしてください。

副作用はあるのか

回虫の駆除の過程で吐き気や倦怠感などの症状が生じることがあります。また、他の内服薬との併用による配合成分の大量摂取によって副作用が生じることがあります。個人によって体質に合わなかったり、アレルギー反応などが出ることもありえます。
実際に使用してみて上記のような異常を感じた場合にはすぐに使用を止め、処方した医師や薬剤師に相談するようにしてください。