消風散とはどんな漢方薬なのか

消風散(しょうふうさん)の「風」とは皮膚に害を与えかゆみを起こす要因のことをさします。つまり消風散という名前には「かゆみの要因を消して散らす」薬という意味があります。
消風散はかゆみを抑え、分泌物を抑える働きを持っています。分泌物が多くジュクジュクしているような湿疹や、水虫、蕁麻疹といった強いかゆみを生じるような疾患が対象となります。また、症状によってはアトピー性皮膚炎に対しても有効となります。

配合されている生薬は以下の通りです。

地黄(じおう)……強壮(※身体に活力を与える)作用、滋潤(※水分で潤す)作用、補血作用、止血作用などがある。
当帰(とうき)……活血(※血の流れをよくする)作用、補血作用、止痛作用などがある。
牛蒡子(ごぼうし)……解熱作用、解毒作用、祛痰(※痰の排出を促す)作用、止咳作用などがある。
蒼朮(そうじゅつ)……健胃(※胃の機能を正常にする)作用、整腸作用、利尿作用などがある。
防風(ぼうふう)……解表(※発汗)作用、解熱作用、鎮痛作用などがある。
胡麻(ごま)……滋養作用、通便作用、抗酸化作用などがある。
知母(ちも)……清熱(※熱を冷ます)作用、瀉火(※過剰な熱を抑える)作用、去痰作用、 鎮咳作用などがある。
甘草(かんぞう)……健胃作用、鎮痛作用、鎮痙作用、去痰作用などがある。
苦參(くじん)……清熱燥湿(※化膿性分泌を治療する)作用、止痒、利水(※体内の水の流れを正す)作用などがある。
荊芥(けいがい)……解表作用、利咽(※のどの調子を整える)作用、消腫作用、止血作用などがある。
木通(もくつう)……清熱作用、利水作用、通淋(※排尿を改善する)作用、通経(※月経を起こす)作用などがある。
蝉退(せんたい)……散風熱(かゆみと熱を散らす)作用、透疹(湿疹を発散させる)作用、止痒作用などがある。
石膏(せっこう)……清熱作用、止渇作用、沈静作用などがある。

身体の熱量・水分量を調節する効果や身体の湿気を乾燥させる効果に加え、毒素の排出やかゆみを改善する作用も期待できる配合となっています。水分の代謝が悪い方や患部に熱を感じるような方に対して非常に効果的だと考えられます。

消風散とは何の症状に効く漢方薬なのか

消風散の効能は主にジュクジュクした皮膚炎や湿疹、蕁麻疹などに用いられます。
しかし、どんな場合においても効果を発揮するという万能薬ではありません。例えば、消風散は分泌物が滲出しているような症状を乾かして改善するといったような効果を持っていますが、反面、肌が乾燥しかゆみを生じるような症状に対しては適応となりません。
それらの症状に対しては「温清飲(うんせいいん)」や「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」といった他の漢方薬の選択がふさわしいかと思います。医師や薬剤師とも相談し、患者さんの症状に合った漢方薬を使うようにしてください。

消風散とはどのように使うものか

消風散を煎じたものを食間もしくは食前に服用します。
なお、服用する際は安易に自己判断せず医師の診断を仰ぎ、用法用量を守って正しく使うようにしてください。

副作用はあるのか

他の内服薬との併用による配合成分の大量摂取によって副作用が生じることがあります。
加えて、個人によって体質に合わなかったり、アレルギー反応などが出ることもあるかと思います。実際に使用してみて何か異常を感じた場合にはすぐに使用を止め、処方した医師や薬剤師に相談するようにしてください。

かゆみを伴う痔の症状に「秦艽羌活湯」

あまり経験したくはないものですが、痔によって起こる症状のひとつに肛門近辺のかゆみがあります。秦艽羌活湯(じんぎょうきょうかつとう)とはそういったデリケートゾーンの「かゆみ」に対して効果を発揮する漢方薬です。

配合されている生薬は以下の通りです。

秦艽(じんぎょう)……解熱作用、抗菌作用、利尿作用などがある。
羌活(きょうかつ)……解熱作用、抗菌作用、鎮痛作用などがある。
柴胡(さいこ)……解熱作用、鎮静作用、解毒作用などがある。
防風(ぼうふう)……解表(※発汗)作用、解熱作用、鎮痛作用などがある。
升麻(しょうま)……解表作用、透疹(※湿疹を発散させる)作用、清熱作用などがある。
細辛(さいしん)……解表作用、温裏(※寒さを散らす)作用、止咳作用、止痛作用などがある。
麻黄(まおう)……発汗作用、鎮咳作用、利水作用などがある。
甘草(かんぞう)……健胃作用、鎮痛作用、鎮痙作用、去痰作用などがある。
藁木(こうほん)……消炎作用、鎮痙作用、通経(※月経を起こす)作用などがある。
黄耆(おうぎ)………強壮(※身体に活力を与える)作用、止汗作用、利水(※体内の水の流れを正す)作用、排膿作用などがある。
紅花(こうか)……活血作用、止痛作用、抗菌・ウィルス作用などがある。

解熱作用、鎮痛作用、抗炎症作用、抗菌作用などに優れた生薬が多く配合され、それに加えて体内の循環改善を目的とした生薬を配合することで、疾患の治療と共に体調の改善をはかった漢方薬となっています。

秦艽羌活湯とは何の症状に効く漢方薬なのか

秦艽羌活湯の効能は主にかゆみを伴う痔症状に対して用いられます。

肛門周辺部に起こるかゆみ症状は肛門掻痒症(こうもんそうようしょう)と呼ばれています。
肛門掻痒症の原因には痔や肛門ポリープといった病気の他、腸内分泌物や便の拭き残しによる皮膚炎などがあります。かゆみが強い場合であっても、患部に対して搔きむしるなどしてしまうと、そこに雑菌や真菌が感染し症状がより悪化してしまうので注意が必要です。
肛門への異常が生じた際にはコーヒー、アルコール、辛い食べ物などといった刺激物の摂取は避け、患部を清潔にして安静にしてください。症状が改善されない場合には専門の医療機関で検査を受けることも重要です。

ちなみに、痔にはかゆみの他にも症状がありますが、出血を伴う場合には「加味解毒湯(かみげどくとう)」、痛みが強い場合には「当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)」、排便痛がある場合には「秦艽防風湯(じんぎょうぼうふうとう)」などといった他の漢方薬の使用が適しています。使用の際には医師や薬剤師と相談の上、症状に合った漢方薬を選択してください。

<h2秦艽羌活湯とはどのように使うものか

秦艽羌活湯を煎じたものを食間もしくは食前に服用します。
なお、服用する際は安易に自己判断せず医師の診断を仰ぎ、用法用量を守って正しく使うようにしてください。

副作用はあるのか

他の内服薬との併用による配合成分の大量摂取によって副作用が生じることがあります。
加えて、個人によって体質に合わなかったり、アレルギー反応などが出ることもあるかと思います。実際に使用してみて何か異常を感じた場合にはすぐに使用を止め、処方した医師や薬剤師に相談するようにしてください。

漢方における利尿薬

湿度が高かったり、脾の働きが弱まったりすると、からだの中に水湿がたまってむくみなどの症状があらわれることがあります。そのようなときには、尿の量を増やしてからだの中の水湿をとりのぞく「利尿」の働きをもつ利尿薬が使われます。利尿薬として用いる生薬や漢方薬は、単に尿の量を増やす働きがあるものばかりではありません。尿と一緒に熱をとりさるものもあります。また、尿の量が少ないからといって単に利尿薬を使うのは避けるほうがよい場合もありますので注意しましょう。

利尿の働きをもつ生薬

利尿薬として使われる生薬は、「利尿によりむくみをとる」もの、「利尿により膀胱関連の湿熱をとる」もの、「利尿により肝胆関連の湿熱をとる」ものに分けることができます。
まず「利尿によりむくみをとる」生薬としては、茯苓、猪苓、沢瀉、薏苡仁があげられます。
・茯苓(ぶくりょう)…腐っている松の木の根から成長する「きのこ」(サルノコシカケ科のマツホドの菌核)で、すべての水湿に関連する症状に用いられる重要な薬です。からだが弱っている人にも使える安全な薬といってよいでしょう。
・猪苓(ちょれい)…もみじの木などにつく「きのこ」(サルノコシカケ科のチョレイマイタケの菌核)で、茯苓より利水作用が強いことが知られています。
・沢瀉(たくしゃ)…オモダカ科のサジオモダカの塊茎で、さまざまな水湿に関連する症状に使われます。腎や膀胱の熱をとる作用があります。
・薏苡仁(よくいにん)…イネ科のハトムギの皮を除いたもので、むくみに使われます。
次に「利尿により膀胱関連の湿熱をとる」生薬には、車前子、滑石、木通があります。
・車前子(しゃぜんし)…オオバコ科のオオバコの種で、利尿により熱をとります。
・滑石(かっせき)…ケイ酸マグネシウムを含む鉱石で、膀胱にたまった熱をとるため、炎症により尿が出づらくなっているときに用います。
・木通(もくつう)…アケビ科のアケビの茎で、利尿の働きがあり、排尿時の痛みをとります。妊婦には使うことができません。
あとひとつは「利尿により肝胆関連の湿熱をとる」ものですが、茵蔯蒿や金銭草が知られています。
・茵蔯蒿(いんちんこう)…キク科のカワラヨモギの幼い苗で、湿熱による黄疸に使われます。
・金銭草(きんせんそう)…サクラソウ科のオカトラノオ属植物の全草で、利尿作用が強く、泌尿器系の結石に用いられる重要な薬です。肝胆結石による黄疸に効果があります。
このような利尿の働きをもつ生薬は、お茶のようにして単独で使う場合もありますが、からだの状態(証)によっては、単独で用いてはいけない場合があります。陰陽の陰がたらない陰虚の人ではからだの中の水分がたらないため、単独で利尿の働きをもつ生薬だけを使ってはいけません。またからだが弱くなっているときにも同様の注意が必要です。

利尿に使われる漢方薬

利尿の働きがある生薬を含む漢方薬には次のようなものがあります。
・五苓散(ごれいさん)…沢瀉、茯苓、猪苓を含む漢方薬で、水湿がからだの中にたまって尿が出ないときに使います。むくみ、吐き気、嘔吐、めまいなどに、また二日酔いにも効果があります。
・猪苓湯(ちょれいとう)…猪苓、沢瀉、茯苓に加えて熱をとる作用がある滑石も含まれる漢方薬で、炎症などの熱により尿がでないときに使います。頻尿、残尿感、排尿時の痛み、血尿などに効果があります。
・茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)…湿と熱を除く茵蔯蒿にさらに熱をとる山梔子や大黄を加えた漢方薬で、湿熱による黄疸に使います。

残尿感や頻尿などの排尿障害に「清心蓮子飲」

清心蓮子飲(せいしんれんしいん)は精神的な負担が原因で生じる泌尿器系に関わる疾患に用いる漢方薬です。
「清心」の「清」とは冷ますことを、「心」は精神的疲労やストレスを意味する言葉です。
ストレスや不安感、緊張によって起こる頻尿、残尿感、排尿痛、尿の混濁といった症状に対して効果を発揮するといわれています。

配合されている生薬は以下の通りです。

蓮肉(れんにく)……強壮(※身体に活力を与える)作用、安神(※精神を安定させる)作用、健脾作用、止瀉作用、鎮静作用などがある。
人参(にんじん)……強壮作用、健脾(※脾胃の機能を正常にする)作用などがある。
黄耆(おうぎ)………強壮作用、止汗作用、利水(※体内の水の流れを正す)作用、排膿作用などがある。
麦門冬(ばくもんどう)……強壮作用、解熱作用、清熱作用、鎮咳作用、去痰作用などがある。
茯苓(ぶくりょう)……利水(※体内の水の流れを正す)作用、健脾作用、安神作用などがある。
車前子(しゃぜんし)……利水作用、通淋(※排尿を改善する)作用、止瀉(※下痢止め)作用、明目(※視力を改善する)作用などがある。
甘草(かんぞう)……健胃作用、鎮痛作用、鎮痙作用、去痰作用などがある。
黄芩(おうごん)……消炎作用、清熱作用、抗菌作用、解毒作用などがある。
地骨皮(じこっぴ)……消炎作用、解熱作用、強壮作用、抗菌作用などがある。

気持ちを落ち着かせる作用のある蓮肉を中心とし、消化吸収の機能の改善や体内の水分量の調節作用、排尿の改善作用などに優れた生薬によって構成されています。排尿痛など痛みを伴う症状に関しても抗炎症作用により患部の痛みを取り去る効果が期待できます。また、滋養強壮効果も高く、疲労感の緩和・改善効果もあります。

清心蓮子飲とは何の症状に効く漢方薬なのか

清心蓮子飲の効能は主に精神的疲労やストレスが原因の腎・泌尿器疾患に用いられます。
代表的なものとしては頻尿、排尿痛、残尿感、尿の混濁、排尿困難といったものが挙げられます。また、下り物や夢精などの改善や神経系に関わる不調に効果があることから、自律神経失調症、インポテンツの治療にも用いられることがあります。

なお、清心蓮子飲は心因性の泌尿器疾患に対して効果的な漢方薬ではありますが、泌尿器疾患に適用される漢方薬は他にも種類があります。定番としてまず挙げられるものとしては「猪苓湯(ちょれいとう)」、炎症症状が強い場合に用いられるものとしては「五淋散(ごりんさん)」や「竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)」、下半身の衰えから来る排尿異常には「八味地黄丸(はちみじおうがん)」などがあります。使用の際には医師や薬剤師と相談の上、症状に合ったものを選択してください。

清心蓮子飲とはどのように使うものか

清心蓮子飲を煎じたものを食間もしくは食前に服用します。
なお、服用する際は安易に自己判断せず医師の診断を仰ぎ、用法用量を守って正しく使うようにしてください。

副作用はあるのか

他の内服薬との併用による配合成分の大量摂取によって副作用が生じることがあります。
加えて、個人によって体質に合わなかったり、アレルギー反応などが出ることもあるかと思います。実際に使用してみて何か異常を感じた場合にはすぐに使用を止め、処方した医師や薬剤師に相談するようにしてください。