中建中湯とはどんな漢方薬なのか

またの名を「大建中湯合小建中湯(だいけんちゅうとうごうしょうけんちゅうとう)」といいます。これは読んでそのまま、「大建中湯(だいけんちゅうとう)」と「小建中湯(しょうけんちゅうとう)」を合わせたものという意味です。
大建中湯と小建中湯は建中湯類に分類された漢方薬です。建中湯類の「中」は胃腸を差す言葉で、「胃腸を立て直す」ことを意味しており、この2つの漢方薬は虚弱体質の方を対象とした冷えを原因とする胃腸によく効く漢方薬です。似たような名前ではありますが、2つはほとんど別の生薬で作られており、適応となる症状も微妙に異なります。
中建中湯(ちゅうけんちゅうとう)はこれら2つの漢方薬の効果を調節して用いた漢方薬だと思って頂ければ分かりやすいかと思います。
ただし、2つの漢方薬を合わせたからそれだけよく効く薬だというわけではありません。漢方薬は個々の症状を診立てた上でそこに適応するものを使用します。同じ病名であっても使い方は異なり、中建中湯はあくまでもその中の選択肢のひとつだとご理解ください。

配合されている生薬は以下の通りです。

山椒(さんしょう)……温裏(※寒さを散らす)作用、止痛作用、駆虫(※寄生中を駆除する)作用などがある。
桂皮(けいひ)……発汗作用、鎮痛作用などがある。
人参(にんじん)……強壮(※身体に活力を与える)作用、健脾(※脾胃の機能を正常にする)作用などがある。
大棗(たいそう)……強壮作用、健脾作用、鎮静作用、利尿作用などがある。
膠飴(こうい)……滋養作用、健胃(※胃の機能を正常にする)作用、鎮痛作用、鎮咳作用などがある。
乾姜(かんきょう)……健胃作用、温裏(※寒さを散らす)作用、鎮痛作用、鎮痙作用、化痰(※痰を除く)作用などがある。
甘草(かんぞう)……健胃作用、鎮痛作用、鎮痙作用、去痰作用などがある。
芍薬(しゃくやく)……補血作用、鎮痛作用、鎮痙作用、収斂(※体液を漏らさず集める)作用などがある。

前述のように、配合されている生薬は大建中湯と小建中湯を合わせたものです。滋養強壮作用、身体を温める作用、胃腸の調子を整える作用に優れた漢方薬が配合されており、冷えを原因とする胃腸不良に対して効果的に作用します。

中建中湯とは何の症状に効く漢方薬なのか

中建中湯の効能は虚弱体質で身体の弱い方などを対象として、主に冷えによる腹痛、吐き気、嘔吐、腹部膨満感、下痢、便秘といった胃腸症状などに用いられます。
ただし、四肢や腹部の冷えを改善し身体を温める効果に優れているため、炎症症状など熱を伴う症状に対しては状態の悪化を招く恐れがあるため適用となりません。

なお、胃腸症状に対して用いる漢方薬は前述の「大建中湯」や「小建中湯」だけに留まらず多くの種類があります。使用の際には医師や薬剤師と相談の上、症状に合ったものを御使用下さい。

中建中湯とはどのように使うものか

中建中湯を煎じたものを食間もしくは食前に服用します。
なお、服用する際は安易に自己判断せず医師の診断を仰ぎ、用法用量を守って正しく使うようにしてください。

副作用はあるのか

配合されている生薬の作用により肝機能障害を生じる恐れがあるため、肝機能に異常がある場合、使用には医師との相談が必要です。
他の内服薬との併用による配合成分の大量摂取によって副作用が生じることがあります。
加えて、個人によって体質に合わなかったり、アレルギー反応などが出ることもあるかと思います。実際に使用してみて何か異常を感じた場合にはすぐに使用を止め、処方した医師や薬剤師に相談するようにしてください。