四苓湯とはどんな漢方薬なのか

四苓湯(しれいとう)とは、身体の水分の状態を循環・調節し、無駄な水分を外部に排出する作用のある漢方薬です。のどが渇いているのに水を飲むと吐いてしまうといったような症状に適応し、吐き気、嘔吐、下痢、排尿困難、むくみに対しても用いられます。
体内の水分が過多になっている方が対象となりますが、使用の基準として、口が渇き排尿量が少なくなっているという点をひとつの目安としてお考え下さい。

配合されている生薬は以下の通りです。

猪苓(ちょれい)……利水(※体内の水の流れを正す)作用、通淋(※排尿を改善する)作用などがある。
茯苓(ぶくりょう)……利水作用、健脾(※脾胃の機能を正常にする)作用、安神(※精神を安定させる)作用などがある。
沢瀉(たくしゃ)…… 利水作用、止渇作用、清熱作用、鎮痛作用などがある。
蒼朮(そうじゅつ)……健胃(※胃の機能を正常にする)作用、整腸作用、利尿作用などがあります。
※蒼朮に代わり類似の作用を持つ白朮(びゃくじゅつ)を配合していることもあります

循環の改善・安定と、余分な水分の排出を主とした生薬の配合となっています。
なお、さらに頭痛や発熱といった症状がある場合にはこれら4つの生薬に発汗作用や止痛作用のある桂皮(けいひ)という生薬が加えられた「五苓散(ごれいさん)」という漢方薬が適応となります。

四苓湯とは何の症状に効く漢方薬なのか

四苓湯の効能は主に吐き気、嘔吐、下痢、排尿困難、むくみといった症状に対して用いられます。胃腸の調子を整える作用をもつ生薬が配合されていることから、急性胃炎の治療にも用いられることがあります。
主に熱射病や日射病といった暑気あたりに有効とされおり、多量の水分を1度にとることで起こる水毒症には効果的な漢方薬のひとつであるといえるかと思います。

水毒症とは、別名「水中毒」と呼ばれる症状です。
大量の水分を短期間に摂取することで水分を調節する腎臓への負担が大きくなってしまい、正常な排出が行えず体内に水分が溜まってしまうことで体調に異常が生じた状態をさします。体内の水分量が過多になると塩分・ミネラルといった成分が薄まり低ナトリウム血症となります。また胃腸機能の低下や口渇、めまいといった症状やひどくなると意識不明や、最悪死亡するというケースも起こりえます。
暑い時や激しいスポーツの後など、冷たい水を一気に飲みたくなるかと思いますが、水毒症にならないように少量をこまめにとることを心がけ、スポーツドリンクなどミネラル成分が含まれたものを口にするようにしてください。

四苓湯とはどのように使うものか

四苓湯を煎じたものを食間もしくは食前に服用します。
なお、服用する際は安易に自己判断せず医師の診断を仰ぎ、用法用量を守って正しく使うようにしてください。

副作用はあるのか

他の内服薬との併用による配合成分の大量摂取によって副作用が生じることがあります。
加えて、個人によって体質に合わなかったり、アレルギー反応などが出ることもあるかと思います。実際に使用してみて何か異常を感じた場合にはすぐに使用を止め、処方した医師や薬剤師に相談するようにしてください。