小承気湯とはどんな漢方薬なのか

調胃承気湯(ちょういじょうきとう)、大承気湯(だいじょうきとう)、そして小承気湯(しょうじょうきとう)。
これら3つの漢方薬は三承気湯と呼ばれる漢方における便秘薬の代表格です。
「承気」とは東洋医学における身体のエネルギー「気」を全身に巡らせるという意味の言葉です。すなわち、身体の気の流れを整えることで胃腸の働きを改善させる漢方薬と言われています。
三承気湯の中で、小承気湯は比較的体力のある方、腹部膨満感がある方に適した漢方薬です。

配合されている生薬は以下の通りです。

大黄(だいおう)……瀉下(※水などを注ぎくだす)作用、清熱作用、活血(※血の流れを良くする)作用、駆瘀血(※血の滞りを改善する)作用などがある。
枳実(きじつ)……健胃(※胃の機能を正常にする)作用、通便作用、化痰(※痰を除く)作用などがある。
厚朴(こうぼく)……整腸作用、健胃作用、去痰作用などがある。

胃腸の調子を整える生薬と下剤効果を持つ生薬とを合わせた配合です。典型的な下剤薬といった印象ですね。

小承気湯とは何の症状に効く漢方薬なのか

小承気湯の効能は主に便が硬くなってしまっているような便秘症や腹部膨満感、肥満の改善に用いられます。また、あまり一般的ではないようですが食中毒に対しても処方されることがあります。

では便秘症とはどういったものか簡単に御説明します。
国際消化器病学会では「排便回数が週3回未満」「硬便が排便時の25%以上(4回に1回以上は硬い便)」といった定義をされています。便秘の定義は他にも諸説ありますが、便通のサイクルが長くなっていること、便が硬く残便感が残ることなどある程度共通しています。
便秘は生活習慣の乱れやストレスなどが要因となって起こることが多いものですが、ときに腸閉塞や大腸がんなどの重篤な病気が原因であることもあります。
発熱や激しい腹痛を伴うような場合には病院で診察を受けるようにしてください。

小承気湯とはどのように使うものか

小承気湯を煎じたものを食間あるいは食前に服用します。なお、服用する際は安易に自己判断せず医師の診断を仰ぎ、用法用量を守って正しく使うようにしてください。
なお、体力のない方や乳幼児、妊娠中の方や授乳中の方は使用の際に必ず医師に相談するようにしてください。

副作用はあるのか

小承気湯は比較的体力のある方を対象とした漢方薬です。胃腸の弱い方や体力のない方が服用した場合、激しい腹痛や下痢症状を引き起こす可能性があります。

また、他の薬との併用した場合、薬の効果が強く表れてしまう可能性があるため危険です。

女性の場合、大黄の副作用として子宮収縮作用や骨盤内臓器の充血作用が認められており、妊婦さんが多量に服用した場合に流早産の危険が生じる恐れがあります。さらに、授乳中の方の場合ですと母乳から生薬成分が流れ、乳児が下痢を起こしてしまうことがあります。
処方を受ける際に医師や薬剤師に御自身の現在使っている医薬品について、妊娠の有無と授乳の有無についてしっかりとお伝えした上で使用について判断を仰いでください。

また、他の内服薬との併用による配合成分の大量摂取によって副作用が生じることがあります。
加えて、個人によって体質に合わなかったり、アレルギー反応などが出ることもあるかと思います。実際に使用してみて何か異常を感じた場合にはすぐに使用を止め、処方した医師や薬剤師に相談するようにしてください。

漢方でお通じを良くしたいなら麻子仁丸

麻子仁丸(マシニンガン)は、お通じを良くする漢方です。お腹のハリで悩んでいる方や、便通に悩んでいる方にはおすすめできます。年配の方のコロコロとした便にも良いとされているものです。
麻子仁丸には、麻子仁(マシニン)、杏仁(キョウニン)、大黄(ダイオウ)、厚朴(コウボク)、枳実(キジツ)、芍薬(シャクヤク)と言った胃腸の働きを助けてくれる漢方がブレンドされています。

麻子仁丸の漢方について

・麻子仁(マシニン)クワ科アサの種子から出来たものです。胃腸に潤いを与えてくれるため、便秘などで詰まっているような便を出しやすいよう助けてくれます。
・杏仁(キョウニン)…バラ科アンズの種子から出来ている漢方です。鎮咳作用や去痰作用があるため、風邪の引きはじめ、終わりかけなどのしつこい咳や痰を取り除く助けをしてくれます。
・大黄(ダイオウ)…タデ科ダイオウもしくはそれに近い植物の根茎を乾燥させたものです。胆汁促進や膵液の分泌を助ける働きがあります。ちなみに、様々な漢方と合わせることで強い効果を表すことから、将軍とも呼ばれています。
・厚朴(コウボク)…モクレン科ホウノキもしくはそれに近い植物の幹や枝の皮を乾燥したものです。健胃作用や鎮吐作用があるため、胃の気持ち悪さを抑えてくれます。
・枳実(キジツ)…ミカン科ダイダイもしくはそれに近い植物の未熟果から出来ています。便秘でお悩みの人を助けてくれる漢方です。
・芍薬(シャクヤク)…キンポウゲ科・ボタン科シャクヤクもしくはそれに近い植物の根から出来ています。肝臓の働きを強めてくれて、体が疲れている時などにも有効な漢方です。

麻子仁丸の主な効能

便秘に関連するものにはおすすめできます。
それが、常に悩んでいる便秘でも、急性で悩んでいる便秘などでも対応可能です。

麻子仁丸を飲む際の注意点

まず、漢方は何を飲むにしても、持病のある人、薬を飲んでいる人は医師や専門医に確認しておいてください。これは、市販薬の場合も含みます。
そして、麻子仁丸は体があまりにも弱っている人にはあまりおすすめしていません。そういった人が飲んでしまうと、胃腸に刺激を与えすぎてしまい、嘔吐や下痢、吐き気などを引き起こしてしまいます。また、麻子仁丸に含まれる大黄は、子宮収縮作用などがあるとされているため、妊娠中の方で、もし飲みたいという場合は、医師ときちんと相談の上服用してください。
そして、麻子仁丸は便秘に良いとされている漢方なので、下痢の方が使用すると、それをさらに加速させてしまいます。体調と、自分の便通を見て飲むようにしてください。

麻子仁丸の飲み方

漢方薬の場合は、基本的に食前か空腹を感じた時の食間に飲みます。
顆粒の場合は、お湯で溶かしてから飲みます。これは、水でも構いませんが、常温の水をおすすめしてます。
食欲がない場合や、吐き気がある場合は、胃の負担も考えて食後にしても大丈夫です。

麻子仁丸で考えられる副作用

麻子仁丸を服用した際に考えられる副作用は、胃がムカムカしてしまったり、吐き気などを感じることです。他にも、腹痛や下痢などを起こす場合があるので、その場合はすぐに医者へ連絡をしてください。