升麻葛根湯とは

升麻葛根湯(しょうまかっこんとう)とは、風邪などが原因で起こる頭痛、発熱、悪寒、関節痛、そして皮膚炎といった症状に対して効果を発揮する漢方薬です。
漢方の風邪薬といえば真っ先に名前が挙がるものとして「葛根湯(かっこんとう)」があります。升麻葛根湯はその名前に「葛根湯」の文字があるため葛根湯に升麻(しょうま)という生薬が加わったものだと思われがちですが、実は葛根湯とは配合された生薬がかなり違います。同じ風邪症状に使われる漢方薬ではありますが、升麻葛根湯は葛根湯の派生薬ではなく、升麻と葛根というふたつの生薬を使った別の漢方薬です。
配合されている生薬は以下の通りです。

升麻(しょうま)……解表(※発汗)作用、透疹(※湿疹を発散させる)作用、清熱作用などがある。
葛根(かっこん) ……解肌(※発汗)作用、透疹作用、潤筋(※筋肉の緊張を緩和させる)作用、止瀉(※下痢止め)作用、止渇作用などがある。
芍薬(しゃくやく)……補血作用、鎮痛作用、鎮痙作用、収斂(※体液を漏らさず集める)作用などがある。
甘草(かんぞう)……健胃作用、鎮痛作用、鎮痙作用、去痰作用などがある。
生姜(しょうきょう)……発汗作用、健胃作用、鎮吐作用などがある。

升麻と葛根、ふたつの生薬により発汗による解熱や筋肉の緊張緩和による疼痛緩和効果が発揮され、さらに芍薬、甘草、生姜の生薬が内臓への負担や症状を軽快させるという配合です。また、升麻の透疹作用により湿疹症状に対しても効果が期待でき、風邪の初期症状などに対して幅広く活用できる漢方薬になっています。

升麻葛根湯とは何の症状に効く漢方薬なのか

升麻葛根湯の効能は主に風邪の初期症状や麻疹(はしか)の初期症状に対して用いられます。
風邪だけでなく麻疹に対しても使用されるのは、麻疹の湿疹を升麻の透疹作用により早期に発散させることで回復を早めることができるとされているからです。

さて、麻疹という病気は日常であまり馴染みのある病気ではありませんので、少し解説したいとおもいます。
麻疹は麻疹ウィルスと呼ばれる感染力の強いウィルスに感染し、10日ほどの潜伏期間の後発症します。
症状は咳、鼻水、高熱と一見して風邪と良く似たものですが、普通の風邪と比べて目ヤニが多く結膜炎も見られます。そして数日中に口内が赤くなり頬の内側隆起した白いつぶつぶ状の粘膜疹ができます。これはコプリック斑とよばれる麻疹特有の症状です。さらに全身に湿疹が出始めるようになります。症状は一週間程度続き、徐々に回復していきますがこの間に他の感染症を併発することも多いため注意が必要です。
先述の通り、非常に感染力の強い病気です。麻疹を疑う症状が出た場合は速やかに医療機関で検査を受け、安静を心がけてください。

升麻葛根湯とはどのように使うものか

升麻葛根湯を煎じたものを食間もしくは食前に服用します。
なお、服用する際は安易に自己判断せず医師の診断を仰ぎ、用法用量を守って正しく使うようにしてください。

副作用はあるのか

他の内服薬との併用による配合成分の大量摂取によって副作用が生じることがあります。
加えて、個人によって体質に合わなかったり、アレルギー反応などが出ることもあるかと思います。実際に使用してみて何か異常を感じた場合にはすぐに使用を止め、処方した医師や薬剤師に相談するようにしてください。

小柴胡湯とは

小柴胡湯(しょうさいことう)とは免疫機能を整える働きや炎症症状を抑える働きを持った漢方薬です。
風邪の後期症状やぜんそく、胃部不快感、胃炎、胃潰瘍、中耳炎などの症状に対し幅広く使われています。また、慢性肝炎の肝機能障害を改善する効果があることでも有名です。
古くから病院で処方されることの多かった漢方薬ですので、これまでに服用経験のある方も多いのではないでしょうか。

配合されている生薬は以下の通りです。

柴胡(さいこ)……解熱作用、鎮静作用、解毒作用などがある。
黄芩(おうごん)……消炎作用、清熱作用、抗菌作用、解毒作用などがある。
大棗(たいそう)……強壮(※身体に活力を与える)作用、健脾(※脾胃の機能を正常にする)作用、鎮静作用、利尿作用などがある。
半夏(はんげ)……止嘔作用、去痰作用、鎮静作用などがある。
人参(にんじん)……強壮作用、健脾作用などがある。
甘草(かんぞう)……健胃(※胃の機能を正常にする)作用、鎮痛作用、鎮痙作用、去痰作用などがある。
生姜(しょうきょう)……発汗作用、健胃作用、鎮吐作用などがある。

身体の不調全般に効果がありそうな生薬の配合です。もちろん、実際には個々の症状に合わせて適宜処方されるのですが、長く病院で使われ続けているだけあって病人にとって頼もしい漢方薬だと思います。

小柴胡湯とは何の症状に効く漢方薬なのか

上記でも述べたように小柴胡湯の効能は非常に多岐に渡ります。
こじらせた風邪の後期症状、肺炎、インフルエンザ、ぜんそくといった呼吸器疾患。
胃炎、胃潰瘍、胃部不快感、食欲不振、吐き気、腹痛といった消化器疾患。
慢性肝炎などの肝機能障害。
出産後、妊婦の回復不全などにも用いられることがあります。

中でも特に代表的に使われるのは慢性肝炎ではないでしょうか。

肝炎とは、肝臓が肝細胞障害をきたす病態で、通常は肝炎ウィルスによるものをさします。その症状は無症状のものから意識障害をきたすものまで多彩で、自覚症状としては発熱や関節痛、全身倦怠感や食欲不振などが現れます。また、他覚症状としては眼球の白目部分が黄色くなる(黄疸)、発疹、尿褐色などが見られるようになります。
肝炎ウィルスにはA型~E型までありますが、感染経路や潜伏期間、症状は各々で異なるため、見極めには医療機関での検査が必要です。
このうちB型、C型、D型は慢性化する恐れがあり、肝硬変や肝ガンへと悪化する恐れもあるため、適切な治療が重要となります。

小柴胡湯とはどのように使うものか

小柴胡湯を煎じたものを食間もしくは食前に服用します。
注意点として、この漢方薬はある程度体力がある方を対象としています。病気で消耗しきっている際には使用が適さない場合があります。服用については安易に自己判断せず医師の診断を仰ぎ、用法用量を守って正しく使うようにしてください。

副作用はあるのか

まれにですが、肝炎の治療にも使われるインターフェロンとの併用や肝硬変、肝ガンの患者さんなどへの投与により、間質性肺炎が起こることがあります。症状が現れた時には早急に医師の診察を受けるようにしてください。

また、他の内服薬との併用による配合成分の大量摂取によって副作用が生じることがあります。
加えて、個人によって体質に合わなかったり、アレルギー反応などが出ることもあるかと思います。実際に使用してみて何か異常を感じた場合にはすぐに使用を止め、処方した医師や薬剤師に相談するようにしてください。