水分を取り過ぎた翌日は顔がパンパンだったり、歩き回った日の夕方にふくらはぎや足がパンパンになって靴がきつかったりします。この原因はむくみです。むくみは様々な原因で引き起こされますが薬膳を意識した食生活で改善することができます。

人の体の60%が水分

わたしたちの体に流れている血液以外は体液と呼ばれる水分で構成されています。体液は絶えず身体を循環し続け、酵素や栄養を全身に届け、老廃物を体外に排出してくれます。さらに体をなめらかにしてくれたり、体温調節にも大きく関わってくる大切な要素です。体内で水の巡りが悪いとむくみやすくなったり、冷えや関節痛、アレルギー症状の原因になります。一日椅子に座ったまま同じ態勢で仕事をしていると夕方足がむくむのは体液の巡りが悪くなるためです。

暑い時期に体が水分を欲して暑いあまりに冷たい飲み物やお酒を勢いよく飲んでしまいがちです。これによって体が急激に冷え、代謝が落ちて汗をかきにくくなって体内に水分をため込んでしまいます。これがむくみの原因です。

体を温めて発汗によってむくみを予防する食材

汗をたくさんかくことによって体内から水分を抜く方法です。特に効果的なのは、温熱性の食べ物です。身体を温めて汗をたくさん流すようにします。

しょうがやにんにく、ねぎなどは身体を温める働きがあります。また、とうがらしや山椒は身体を温めて冷えを取り、二ラは気や血の巡りを良くして身体を温めてくれます。

日常的な食事に気を付けるだけでなく、適度な運動も大切です。水分補給しつつ、運動をして効率的に水分を排出することで体内の水分を外に出し、むくみを防止します。

利尿作用がある食材を食べて尿で水分を排出する

利尿作用のある食べ物を取り入れることによって水分を身体から抜きく方法でむくみを予防します。利尿効果の高い食べ物の多くは、水分代謝に関わる脾臓、胃腸のバランスを整えてくれるのでむくみやすい人は積極的に食事に取り入れることで自然とトイレの回数が多くなります。

緑豆、小豆、白菜、冬瓜などの瓜は利尿作用があります。大麦、ハトムギ、そば、大豆、豆腐、鯉、 ウナギなどは胃の調子を整えながら利尿作用もあるため、胃が弱い方にも合わせておすすめの食材です。ハト麦茶などで水分補給すると効果的です。

特に夏が旬のとうもろこしには利尿作用のほかに冷たいものを摂取しすぎて胃が重いときなど、胃をスッキリとさせてくれます。さらには消化を助けてくれる働きがあります。食べ過ぎた時などに効果的です。

とうもろこしの利尿効果

中でもひげの部分にその成分が多く含まれていると言われています。さらには利尿作用だけでなくむくみも直接的に改善してくれます。特に下半身のむくみに効果を発揮してくれるためなかなか食べる機会はないとうもろこしのひげですが素揚げやかき揚げ、煮だしてお茶にするなどしてその効果を取り入れましょう。とうもろこし茶にはひげが使われているため、水分補給に飲むと効果的に排出してくれます。

甘い物の摂りすぎに注意!

甘いものを取り過ぎると体内に余分な水分をため込んでしまい、排出できなくなってしまいます。甘いものは適度な量を取るようにしましょう。

薬膳の組み合わせを知ることで効能アップ

薬膳は様々な働きを持った食材や中薬を組み合わせることによって体調を保ち、身体を強くして、さらに疾病の予防や治癒を促します。そんな薬膳の効能は実にさまざまです。食材や中薬の組み合わせによって効能を最大限引き出すことも、逆に打ち消してしまうこともあります。自身の体調をよく観察し、季節や体調に合った薬膳を取り入れて行きましょう。

薬膳の「五性」の考え

薬膳では食材や中薬を「五性」と呼ばれる5つの性質に分けています。

「温」・「熱」の食材はねぎやしょうがのように体を温めるので寒い時期や冷え性の方、身体のコリや痛み、筋肉の強張りがある時に用いることで身体を改善していきます身体は温まると緊張が和らいでくるためです。

「涼」・「寒」の食材は体の余分な熱を身体の外に排出して身体を冷やし、涼をもたらすスイカやゴーヤなどがあげられます。夏の暑いときだけでなく風邪で熱が出ている時やストレスなどでイライラしている時にも効果があります。どちらにも属さない

「平性」のものはどんな体質の方でも食べてよく、米やじゃがいも、キャベツなど日常的に食べられるものが多く分類されます。

例えば寒い冬に身体を温めるにんにくができるように、暑い夏にはスイカやきゅうりなど身体を冷やす食材が旬を迎えます。こうして見て行くと食材の旬の時期はその時期に必要な効能があるものが多いことが分かります。

効能を引き出す組み合わせ

薬膳の世界では食材や中薬の効能を最大限引き出すため、様々な組み合わせで料理されます。「単行(たんこう)」とは1つの食材だけを使って効能を得ることを指します。「相須(そうす)」は効能が似た中薬や食材を組み合わせて治療効果を高める相乗効果のことを言い、梨とユリ根がこれにあたります。それぞれ身体の熱を冷ます効果があり、さらに気管支を潤して咳をとめる効能が期待できます。風邪のときに積極的に摂ると効果的です。

「相使(そうし)」はメインの食材があり、その効能をサブの食材が高める組み合わせです。しょうがと黒糖がそれに当たり、しょうがはお腹を温め、寒さを散らしてくれます。さらに温性の黒砂糖がしょうがの薬効を補助するので、さらに効能が期待できます。「相殺(そうさつ)」はある食材が他の食材の薬物や副作用、毒性を和らげることを言います。

薬膳で好まれない組み合わせ

好ましい組み合わせのものもある一方、組み合わせることで効果が減少してしまう組み合わせがあります。それが「相悪「そうあく)」です。相悪は2種類以上の薬物・食品を合わせることによってそれぞれの効果が薄まってしまいます。

さらに「相反(そうはん)」と呼ばれる組み合わせはある食材同士を組み合わせると強い毒性や副作用が出てしまうことを指します。例えば海鮮のカニとフルーツの柿は、それぞれ体を冷やし食材であることから組み合わせて食べると身体を極端に冷やしてしまい、ひどい時には下痢や腹痛を引き起こすこともあります。

薬膳を始めたばかりで組み合わせがわからない場合は、それぞれの食材に秘められた効能を単行で取り入れるだけでも充分です。おかゆのトッピングとして食材を足して目的の効能を得るなど少しずつ試していきましょう。