めまいに悩んだら漢方薬を

めまいには、様々な種類があります。
ひとつは、自分や周囲が回っているように見える、回転性のものです。もう一つは、ふわふわと浮いているように感じる浮動性のものがあります。最後は、目の前が暗くなり、倒れてしまう危険性のある失神性のものです。
どれも、働きかける場所などが変わるので、あまりにひどい場合は医師への相談をおすすめします。
しかし、漢方でめまいの前兆が見えたときに、対策することは可能です。めまいにおすすめ出来る漢方薬はいくつかあるので、医師や専門医に相談して選んでみましょう。

めまいでお悩みの方におすすめの漢方は?

・桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)
女性が使うことの多い漢方で、めまい以外にも、生理不順やホットフラッシュなどにも使われる漢方薬です。他にも、頭痛や腰痛などの鎮痛作用も期待できます。
便秘の人にはおすすめできないので注意しましょう。
【ブレンドされている生薬】
桂皮(ケイヒ)
芍薬(シャクヤク)
茯苓(ブクリョウ)
桃仁(トウニン)
牡丹皮(ボタンピ)

・釣藤散(チョウトウサン)
ストレスからくるめまいに良いとされる漢方薬です。イライラが続く場合には服用してみましょう。他にも、脳血管を広げる作用があるため、脳循環が良くなり、頭痛などの改善にも効果的です。
耳鳴りや肩こりにも処方されることがあります。
【ブレンドされている生薬】
釣藤鈎(チョウトウコウ)
石膏(セッコウ)
茯苓(ブクリョウ)
半夏(ハンゲ)
防風(ボウフウ)
菊花(キッカ)
人参(ニンジン)
麦門冬(バクモンドウ)
陳皮(チンピ)
生姜(ショウキョウ)
甘草(カンゾウ)

・苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)
立ちくらみなどのめまいに効果的な漢方薬です。他にも、息切れ動悸にも有効とされます。しかしここで、これらの症状以外に吐き気が生じる場合は、五苓散(ゴレイサン)という漢方薬にしてください。五苓散(ゴレイサン)とは、甘草(カンゾウ)を抜いて、猪苓(チョレイ)と沢瀉(タクシャ)という嘔吐、下痢にいいとされる漢方を加えたものになります。
【ブレンドされている生薬】
茯苓(ブクリョウ)
蒼朮(ソウジュツ)または白朮(ビャクジュツ)
桂皮(ケイヒ)
甘草(カンゾウ)

・真武湯(シンブトウ)
体が弱っているときにおすすめの漢方薬です。便秘の改善にもおすすめの漢方薬で、体内の水分調整を正常にしてくれます。めまいと共に、冷えや痛みが伴う場合に、それらを和らげてくれるでしょう。
【ブレンドされている生薬】
附子(ブシ)
茯苓(ブクリョウ)
蒼朮(ソウジュツ)か白朮(ビャクジュツ)
芍薬(シャクヤク)
生姜(ショウキョウ)

・半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)
これも、体が弱っているときに、おすすめの漢方薬です。
めまい以外に、冷え症や頭痛にも良いとされています。また、消化機能の働きを高めてくれるので、体調が悪く食欲がわかない場合に使えるでしょう。
【ブレンドされている生薬】
半夏(ハンゲ)
白朮(ビャクジュツ)
茯苓(ブクリョウ)
沢瀉(タクシャ)
天麻(テンマ)
人参(ニンジン)
黄耆(オウギ)
乾姜(カンキョウ)
陳皮(チンピ)
黄柏(オウバク)
麦芽(バクガ)
生姜(ショウキョウ)

頭痛に効く漢方薬「川芎茶調散」

川芎茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)とは、風邪をひいたときに起こる頭痛に対して効果的とされる漢方薬です。ですが、川芎茶調散に含まれている生薬成分は風邪に限らず頭痛に対して非常に効果が高く、結果として頭痛症状全般に対して効果的な漢方薬として知られています。
頭痛症状に対して優れた効果を有ずる「川芎(せんきゅう)」を中心として配合されており、それを「お茶」によって飲むようにされていることからこの名がつけられたとされています。

配合されている生薬は以下の通りです。

川芎(せんきゅう)……駆瘀血(※血の滞りを改善する)作用、活血(※血の流れを良くする)作用、鎮静作用、鎮痛作用などがある。
荊芥(けいがい)……解表作用、利咽(※のどの調子を整える)作用、消腫作用、止血作用などがある。
防風(ぼうふう)……解表(※発汗)作用、発散作用、解熱作用、鎮痛作用などがある。
薄荷葉(はっかよう)……解表作用、透疹(※湿疹を発散させる)作用などがある。
香附子(こうぶし)……疏肝(※肝の機能を高める)作用、調経(※月経を調節する)作用、止痛作用などがある。
白芷(びゃくし)……解表作用、止痛作用、止帯(※下り物を止める)作用、排膿作用、抗菌作用などがある。
羌活(きょうかつ)……解熱作用、抗菌作用、鎮痛作用などがある。
茶葉(ちゃよう)……抗酸化作用、整腸作用、抗菌・ウイルス作用などがある。
甘草(かんぞう)……健胃(※胃の機能を正常にする)作用、鎮痛作用、鎮痙作用、去痰作用などがある。

血流を改善する作用や痛みを和らげる作用に優れた生薬、発汗作用や解熱作用に優れた漢方薬などが配合されており、これらが組み合わさることで頭痛に対して効果を発揮します。

川芎茶調散とは何の症状に効く漢方薬なのか

川芎茶調散の効能は風邪や他の要因によって起こる頭痛に対して用いられます。中国医療において、風邪は「熱さを感じるもの」「冷えを感じるもの」とに分けられますが、川芎茶調散の適応となるのは「冷えを感じるもの」とされています。また、循環不全を解消する効果が高いことから血の道症といった婦人科疾患に対しても用いられることがあります。
風邪のときに使用するものとされてはいますが、用途はそれに限らず緊張型頭痛、片頭痛、群発性頭痛といった頭痛全般においても効果を発揮します。

緊張型頭痛とは、筋緊張性頭痛とも呼ばれ、両側後頭部から頭頂部にかけて圧迫感や締め付けられるような鈍痛が起こるもので、発症は比較的ゆっくりと長く続きます。

片頭痛とは、反復して発作的に、一定の間隔を置いて起こる拍動性の頭痛です。閃輝性暗点などの症状が事前に現れ、吐き気や嘔吐を伴うことが多いです。

群発性頭痛とは、片方の目の奥に数秒間、キリで突くような激しい痛みが現れます。その間、結膜充血、鼻づまりなどが起こります。期間は数日から数週間で、1年のうちでほぼ同じ時期に繰り返し発生します。

川芎茶調散とはどのように使うものか

川芎茶調散を煎じたものを食間もしくは食前に服用します。
なお、服用する際は安易に自己判断せず医師の診断を仰ぎ、用法用量を守って正しく使うようにしてください。

副作用はあるのか

胃腸が弱い人、吐き気や嘔吐がある人が服用した場合、下痢や吐き気の増悪などが現れる場合があります。また、他の内服薬との併用による配合成分の大量摂取によって副作用が生じることがあります。個人によって体質に合わなかったり、アレルギー反応などが出ることもあるかと思いますので、実際に使用してみて何か異常を感じた場合にはすぐに使用を止め、処方した医師や薬剤師に相談するようにしてください。