ニキビは大きくニキビと吹き出物と2種類に分けられます。ニキビは20代までの若者がなりやすく後者は大人になると出来やすいニキビです。
ニキビの治療にはどちらのニキビかも確認した上で漢方を服用して体質から改善しましょう。
目次
- 1 桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)
- 2 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
- 3 清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)
- 4 十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)
- 5 桂枝茯苓丸加よく苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)
- 6 荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)
- 7 加味逍遥散(カミショウサン)
- 8 ニキビや湿疹など顔面の皮膚疾患に効く「清上防風湯」
- 9 清上防風湯とは何の症状に効く漢方薬なのか
- 10 清上防風湯とはどのように使うものか
- 11 副作用はあるのか
- 12 十味敗毒湯とは
- 13 十味敗毒湯の生薬について
- 14 十味敗毒湯の効能
- 15 十味敗毒湯の使用法
- 16 副作用などはあるか
- 17 温経湯(うんけいとう)
- 18 加味逍遥散(カミショウサン)とは
- 19 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
- 20 温清飲(ウンセイイン)
- 21 大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)
- 22 当帰四逆加呉茱ユ生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
- 23 西洋医学との融合
桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)
体力があり、体が大きいもしくは肥満体質の方に向く処方です。
のぼせ気味で下腹部が張り便秘になりやすいのも目安になります。
血行を良くして熱や炎症もしずめ便通も解消し、ホルモンのバランスを整えて不安やイライラにも効果がある漢方です。
他の具体的な効能には生理不順・重い生理・生理に伴う不安やイライラ、腰痛、便秘、打ち身、高血圧に伴う頭重感や肩こり・めまい、そのような症状を伴う子宮の病気にも効果があります。
当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
体力があまりなく、比較的女性向きの漢方です。
その中でも色白で冷え症、やせ型の人に向いています。
血行を良くして体を温め貧血症状・ホルモンバランスを整えます。
具体的には、体の疲れ、肩こり、貧血症状、生理不順・生理痛・生理前後の不快症状、不妊症、むくみ、頭痛、めまい、肩こり、更年期障害、顎ニキビに効く漢方です。
清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)
皮脂が多い肌の人に用いる漢方薬です。
体力があり赤ら顔の人に向く漢方は、排膿も助けニキビを元から治すのに最適です。
顔の熱や炎症をとり、解毒をして腫れや膿を鎮める作用は、赤みや炎症しているニキビによく効きます。
顔の皮膚病・ニキビの治療の治療に特に効果がある漢方薬です。
十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)
普通程度以上の体力がある人に効果があります。
漢方の効果では皮膚の赤み・痒みを解消して腫れや化膿を抑えます。そしてニキビを体質から改善しようとするものです。
また顔以外にも背中のニキビやお尻等にできるニキビにも効果があります。
桂枝茯苓丸加よく苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)
血行を良くすることで熱のバランスを整えて肌の状態も改善する効果が期待できます。
比較的女性に向き漢方は、体格がしっかりとして赤ら顔の人に向く漢方薬です。
ニキビや肌荒れ、シミなどの赤紫がかった肌トラブルの他にも、生理不順・生理痛、頭痛、めまい、肩こり、のぼせ、足の冷え、更年期障害、子宮内膜症、筋腫にも適応する女性に万能な漢方薬です。
荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)
体力が普通程度で血行が悪く、皮膚の色が浅黒い人に適しています。
炎症を伴う赤ニキビ・湿疹が出やすい体質にも最適です。
体の熱や腫れをひき、血液循環を良くします。
熱や炎症を抑えて痰や膿を排出する成分等が一緒に働くことで、肌トラブルにも万能な効果を発揮します。
ニキビ以外にも具体的には、蓄膿症・慢性鼻炎、痰がからむ扁桃炎、体の炎症を鎮める作用があります。
加味逍遥散(カミショウサン)
比較的女性向きで虚弱体質で疲れやすく、イライラ・不安感を持ちやすい人にも最適な漢方です。
生理等で不足しがちな血を補い血行を良くして体を温め、のぼせなどの上半身の熱には新陳代謝が活発になることで冷まします。
痛みも和らげて無駄な水分を取り除き、ホルモンのバランスを整えて滋養作用も期待できる漢方薬です。
ニキビ以外でも、便秘、肩こり、イライラ・不安感、手足の冷え、のぼせ、生理不順・生理痛、頭痛、肩こり、けん怠感、不眠、神経症、更年期障害、自律神経失調、月経前緊張症などにも効果があります。
漢方は自分の体質にも合ったものを選び、健康的に肌トラブルを治しましょう。
ニキビや湿疹など顔面の皮膚疾患に効く「清上防風湯」
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)とは顔面に現れる皮膚疾患に対して効果を発揮する漢方薬です。ニキビ、湿疹、皮膚炎などに対して用いられ症状を改善させます。
中国医療において、上記の症状は熱によって生じたものとして考えられています。清上防風湯の「清上」とは身体の上部の熱を取ることを意味しており、主とされる生薬に発汗作用や発散作用に優れた防風(ぼうふう)が使われていることからこの名前が付けられたといわれています。
配合されている生薬は以下の通りです。
防風(ぼうふう)……解表(※発汗)作用、発散作用、解熱作用、鎮痛作用などがある。
薄荷葉(はっかよう)……解表(※発汗)作用、透疹(※湿疹を発散させる)作用などがある。
白芷(びゃくし)……解表作用、止痛作用、止帯(※下り物を止める)作用、排膿作用、抗菌作用などがある。
荊芥(けいがい)……解表作用、利咽(※のどの調子を整える)作用、消腫作用、止血作用などがある。
黄芩(おうごん)……消炎作用、清熱作用、抗菌作用、解毒作用などがある。
黄連(おうれん)……消炎作用、健胃作用、鎮静作用などがある。
山梔子(さんしし) ……清熱作用、除煩(煩躁状態の改善)作用、消炎作用などがある。
連翹(れんぎょう)……清熱作用、解毒作用、消腫作用、抗菌作用、利尿作用などがある。
桔梗(ききょう) ……止咳作用、去痰作用、排膿作用などがある。
川芎(せんきゅう)……駆瘀血(※血の滞りを改善する)作用、活血作用、鎮静作用、鎮痛作用などがある。
枳実(きじつ)……健胃(※胃の機能を正常にする)作用、化痰(※痰を除く)作用、通便作用などがある。
甘草(かんぞう)……健胃作用、鎮痛作用、鎮痙作用、去痰作用などがある。
消炎作用、清熱作用、発汗作用、発散作用、抗菌作用のある生薬が多く使われており、患部の熱や膿をとる作用に優れた配合です。また、胃腸を調整する効果も高く、消化吸収の機能を整えることで健康的な皮膚状態に促します。
清上防風湯とは何の症状に効く漢方薬なのか
清上防風湯の効能は主にニキビ、湿疹、皮膚炎といった顔面の皮膚疾患に対して用いられます。患部の熱を鎮め、取り去ることで症状の緩和を行います。
ニキビとは、アクネ菌(あるいはアクネ桿菌)という細菌が角栓でふさがった毛穴に入り込み、脂質を分解し毒性物質を生み出すことで炎症が引き起こされることによって生じます。清上防風湯の持つ抗菌作用はこのアクネ菌に対しても有効に作用し皮膚状態を改善させます。
清上防風湯とはどのように使うものか
清上防風湯を煎じたものを食間もしくは食前に服用します。
なお、服用する際は安易に自己判断せず医師の診断を仰ぎ、用法用量を守って正しく使うようにしてください。
副作用はあるのか
胃腸の弱い人や、吐き気や嘔吐のある方が使用した場合、症状が悪化する恐れがあるといわれています。
また、他の内服薬との併用による配合成分の大量摂取によって副作用が生じることがあります。個人によって体質に合わなかったり、アレルギー反応などが出ることもありえるため、実際に使用してみて何か異常を感じた場合にはすぐに使用を止め、処方した医師や薬剤師に相談するようにしてください。
十味敗毒湯とは
十味敗毒湯は、患部が赤みを持ち、じゅくじゅくしたり化膿したりする皮膚炎に用いる漢方薬です。その名は比較的よく知られており、ドラッグストアでも手に入れることができます。ニキビやアトピー、蕁麻疹などに応用されます。
その名の通り10の生薬からなるこの処方は日本生まれで、「荊防敗毒散」を元に創出され江戸時代から活用されてきました。荊防敗毒散と同じような目標・作用を持ちますが、いくつかの生薬を置き換え、また日本独自の生薬「桜皮」を追加して排膿の作用を高めています。まだ身体に浸透しきっていない、急性期の炎症を「追い出す」ことに重点を置いた処方です。
十味敗毒湯の生薬について
・柴胡(サイコ)…亜急性期の解熱、解毒、鎮痛、鎮静に使われる代表的な生薬です。寒性で、熱を冷ます性質を持ちます。
・桔梗(キキョウ)…咳や痰の薬として有名ですが、末梢血管拡張作用を持ち、排膿、抗潰瘍にも働きます。
・川芎(センキュウ)…活血行気の効能があり、血流を改善して血が滞ることによって起こる疼痛などを和らげます。
・茯苓(ブクリョウ)…利水の生薬の代表で、水毒を取り除き利尿作用をもたらします。
・連翹(レンギョウ)…モクセイ科のレンギョウという樹木の果実です。清熱解毒の生薬のひとつ。消炎、排膿して鎮痛し、利尿作用ももちます。
・桜皮(オウヒ)…ヤマザクラの樹皮で、血流を改善し抗炎、解毒、排膿の作用があります。(同様の作用を期待して「樸樕(ボクソク)」に置き換えている処方もあります。思春期のニキビなどには、桜皮配合のものが好んで処方されるようです)
・防風(ボウフウ)…体表の邪を除く力に優れ、熱を去る作用があります。
・独活(ドッカツ)…発汗、解熱、鎮痛、抗炎症作用があります。
・甘草(カンゾウ)…鎮痙、鎮咳、抗炎症、潰瘍修復、抗アレルギー作用を持ちます。
・荊芥(ケイガイ)…解表発散の作用を持ち、皮膚疾患に用いられます。発汗・解熱、消炎、止血、抗菌作用を持ちます。
・生姜(ショウキョウ)…消化機能を整え、体を温めます。
十味敗毒湯の効能
十味敗毒湯の処方による治療の重点は、やはり「清熱解毒」です。皮膚に現れる赤みやただれを漢方では「皮膚にこもった熱」が悪さをしていると解釈しています。柴胡、桔梗、桜皮が「冷やす性質」によって熱を去り、皮膚に炎症を起こす大元の原因となる熱毒を解毒します。合わせて甘草も消炎に役立ちます。
また、すでに皮膚上に出てしまった症状を改善するのが防風、荊芥、独活、川芎です。「解表・発散作用」を持ち、体表部の血管を拡張して血行を良くして皮膚の治療を促したり、痒みを取り除いたりしてくれます。
そして最後に「利水作用」をもつ生薬がただれや滲出液の原因となる「水毒」を除去します。傷口をじゅくじゅくさせるのは、皮膚に余計な水分が溜まっているためです。これを茯苓、生姜が代謝を促して、余計な分泌物を改善します。
漢方には「病気は身体の表面(皮膚)から、だんだん内側(内臓)に侵入する」という考え方があります。十味敗毒湯はどちらかといえば「身体の表面」に作用する力が強いです。よって、慢性的に続いている(時間が経って病気が内側に進行している)炎症ではなく、急に酷くなったという場合の急性期に用いるのが効果的です。
十味敗毒湯の使用法
「湯」は煎じ薬の意味ですが、現在では濃縮乾燥させた「エキス剤」が主流です。1日量を2、3回に分けて食前または食間に服用します。体質改善を目指し、長期服用することがしばしばあります。
副作用などはあるか
基本的には、医師の指示や用法用量を守って服用する限りは重篤な副作用の心配はありません。まれに吐き気や腹痛、下痢などが現れることがあります。その場合は医師に相談してください。配合生薬「甘草」は大量摂取によってむくみや高血圧を生じることがあるので、服用中は他の薬剤の成分重複に気をつけます。
十味敗毒湯は「解熱」「発散」の作用に重点を置き「気を養う」作用をあまり持たないため、あまりにも気力体力の弱った方には向きませんので注意します。
温経湯(うんけいとう)
虚弱体質で冷え性の人によく用いられます。
比較的女性向きの漢方は皮膚や唇がかさつく人に最適です。
血行を良くして体全体を温め、乾燥した皮膚を潤したり、ホルモンのバランスを整える効果も期待できます。
具体的には生理不順や生理痛、更年期障害、頭痛、足腰の冷えや痛み、冷え・のぼせ、しもやけ、主婦湿疹などに適応します。
また、不妊治療にも併用して用いられることもあります。
加味逍遥散(カミショウサン)とは
血の不足を補い血行を良くして体を温め、のぼせ等の上半身の熱には新陳代謝を活発にして冷まします。
他にも痛みをやわらげて、無駄な水分を取り除き自然治癒力を高めます。
比較的女性向けで虚弱体質で疲れやすく、イライラや不安感を持ちやすい人にも最適な漢方は、ホルモンのバランスを整える効果も期待できます。
他にもニキビ、便秘、肩こり、イライラ・不安感、手足冷え、のぼせ、生理不順・生理痛、頭痛、肩こり、けん怠感、不眠、神経症、更年期障害、自律神経失調、月経前緊張症等にも効果があります。
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
比較的体力があり、イライラとのぼせ、暑がりで顔は赤っぽく、胃や胸のあたりにモヤモヤとしたつかえがある人に使用します。
また、出血傾向のある場合にもよく用いられます。
頭重感や腹部膨満感等の体の症状を伴うことから、血流を改善して熱症状も鎮めて、興奮を伴った症状、二日酔、胃炎、めまい、動悸、イライラ、不眠、不安焦燥感、更年期障害、高血圧などの改善に効果があります。
湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ、口内炎にも最適です。
温清飲(ウンセイイン)
普通程度の体力で暑がり、皮膚がかさつく人に向きます。
比較的女性向けの漢方です。
血行を良くして出血を抑える作用、のぼせや手足のほてりをとる作用があります。
具体的には、生理不順や生理痛、出血の多い月経過多、更年期障害、のぼせ、不安感、イライラ感、皮膚の発赤や痒み、ホルモンのバランスを整える効果も期待できます。
大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)
体力があり暑がりの人に向く処方です。
比較的女性向けの漢方薬で、下腹部の張りや便秘を伴うときに向きます。
血行を良くして熱・炎症をとり便通をつけて、ホルモンのバランスを整える効果も期待できます。
他の症状には女性の生理不順、重い生理、下腹部痛、便秘、痔等にも適応します。
また、そのような症状を伴う子宮や尿路の病気にも応用できます。
当帰四逆加呉茱ユ生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
虚弱体質で冷え性の人によく用いられます。
特に手足の冷えが強い人に向く処方です。
血行を良くして体を温めて冷えによる痛みも和らげます。
具体的には、しもやけ、頭痛、下腹部痛、腰痛などに適応します。
西洋医学との融合
治らない手荒れにハンドクリームやステロイド軟膏は、体質改善の漢方薬も併用することでより効果に期待できます。
空気が乾燥する季節の水仕事が多い主婦や美容師や介護士、パソコンでの作業で手荒れの症状を悪化させやすい人にも方漢方薬の併用はおすすめです。