畑や山野でもよく見かけるミミズは、土壌を豊かにしてくれる他、おいしい野菜・果物にしてくれることがあります。

そして漢方でもミミズは解熱(ルンブロフェブリン)、鎮痙、利尿、解毒薬に効果があると言われています。

ミミズの基源

中国では広地竜、土地竜の二種類があります。

広地竜:フトミミズ科の腹部を開いて中身を取り除き乾燥させたもの。
土地竜:ツリミミズ科のカッショクツリミミズを草木灰(そうもくばい) に入れて殺し、灰を取り去ってそのまま乾燥させたもの。

※草木灰(そうもくばい)は、草木を燃焼させた後の灰のことです。
カリウム・石灰分を含む肥料になります。

日本でもよくみかけるカッショクツリミミズ(日本産)は、体内の土砂を取り除いた後、丸ごと火灰の中に入れて乾燥します。

ミミズの産地

広地竜のミミズは広東省、広西自治区。
土地竜のミミズは日本の他、河南省、山東省、福建省等。

ミミズにはエイコサテトラエン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸などと、トリグリセリド、ステロイド化合物、アミノ酸などが含まれています。

ミミズと漢方の歴史

ミミズは2世紀のはじめには医学書に登場します。
当時は主に発熱や気管支喘息の症状に用いられていました。

漢方医学の最古の書物の一つ、神農本草経(365種の生薬を記したもの)にはミミズが蚯蚓(きゅういん)の名前で記されています。

そして11世紀の文献、図経本草には地龍(じりゅう)の名で登場しました。

その後もミミズは、赤竜(せきりゅう)、土龍(もぐら)の名で多くの医学書・薬学書に記されています。

※土龍(もぐら)の本来の意味はミミズです。

ミミズの豊富な効能

ミミズの効能には、解熱、鎮痙、利尿、解毒薬の他にも、血圧降下作用・血行促進作用・消炎作用・殺菌作用・・糖尿病の改善・脳出血の改善・狭心症・心筋梗塞の改善の効果が期待できます。

またミミズは通絡作用があり、気・血の巡りが悪いときに処方にも補助薬として用いられることもあります。

※気・血とは
気(き)…生命を維持しようとする基本的活力
血(けつ)…血液・ホルモン成分などを含めた体液の総称

健康食品と漢方薬

漢方のミミズは未病(みびょう)の生活習慣病・内科疾患にも効果を発揮する万能薬です。

※未病とは病気ではないが放っておくことで病気になるもののこと。

漢方薬に使われるミミズと健康食品にも使われるミミズには、働き・使用部位等でも大きな違いがあるようです。

また、一部の地竜を使った健康食品には、血栓(血管内の血小板や血液の塊)を溶かす酵素が血液をサラサラにしてくれる効果もあるようです。

補陽還五湯 (ほようかんごとう)

地竜を含む漢方薬です。
中国では脳卒中の後遺症によく使用されています。

血流が悪いことで起こる筋力の低下、言葉のもつれにも効果を発揮します。
脳卒中等で気・血が滞り栄養が全身に行き渡らないことで起きる半身不随等の筋力の低下、しびれや言葉のもつれ、尿漏れなどにも最適です。

●適応する症状

脳卒中の半身不随に、口や眼が歪む症状・、よだれが流れて大便は乾燥し、小便は回数が増えて尿失禁・大便の失禁の症状に欠かせない処方です。

特に体力が落ちて、慢性化した方人の症状に合います。

気虚瘀血(ききょおけつ)の”気と血の流れを改善”して、血に含まれる栄養もたくさん脳や全身に運ばれることで脳梗塞・脳出血も予防します。

注意すること

補陽還五湯は意識がはっきりしていて体温が正常な時に使用します。
脳に出血がある時には用いらないようにしましょう。

・医師の治療を受けている人
・妊婦または妊娠していると思われる人
・胃腸の弱い人
・これまでの薬の服用でかゆみ・発赤・発疹等の症状が出たことがある人

以上の人の服用も、漢方専門医等に相談してから服用するかどうか決めましょう。

副作用

かゆみ、発赤・発疹、腹痛、胃部不快感、食欲不振、吐き気 消化器等の副作用が出た人は、すぐ服用を止めて漢方専門医等に相談しましょう。

症状の持続・増強が見られた場合にも、漢方専門医・薬剤師・登録販売者等に相談します。