1989年(平成元年)より制度が発足した「漢方専門医」は「一般社団法人日本東洋医学会」の入会後3年間の研修期間を経た後に認定できるものです。

学会認定医制協議会加盟の制度として運用されています。

漢方専門医の研修年限

「漢方専門医」は、日本の医師免許を有していて且つ「日本専門医認定機構」の定める学会の認定医または専門医を有している者が、3年以上継続して会員の所定の単位数(7単位)を取得。

その上で、学会が定める研修施設で3年以上東洋医学の臨床に修練を積んだ者とされています。

認定方法については、50症例の一覧、及びそのうち10症例の臨床報告を提出。
毎年1回の認定試験(筆記試験、口頭試問)に合格することで認定されます。

漢方専門医自体は5年毎に更新され、現在の専門医数は2,148名です。

医師と漢方専門医

近年、漢方薬は様々な医療機関で用いられて保険診療での使用も可能となっています。
割合でいえば医師の70%が漢方を用いているようです。

しかし、漢方薬を処方する医師が必ずしも「漢方専門医」の認定を受けているわけではありません。

漢方専門医とは、基本的な西洋医学を十分に習得し、内科、外科をはじめ小児科、産婦人科、整形外科、皮膚科、眼科、耳鼻科、精神科等の専門分野を持った上で、漢方医学についても修得した医師をいいます。

漢方専門医と蘭医の歴史

江戸時代の終わりにオランダ医学が入ってきてからは蘭医と漢方医という2つの医者が出来ました。
しかし1883年には、西洋医学を学んだ者だけに医師免許が与えられ、漢方だけを学んだ医者はなくなりました。

その後、西洋医学は発展し西洋医学全盛の時代が続きました。
そのことからも、今から50年前の漢方医の数は100名ほどになるような状態に陥りました。

しかし現在は、漢方が保険医療の対象となり、漢方を使う医者は20万人を超すようになります。

このような歴史や漢方を用いる医師の増加からも、保険の漢方のみを使う医師を「漢方専門医」と呼ぶことには抵抗があります。

東洋医学会の「漢方専門医」

東洋医学会の「漢方専門医」とは、専門性の高い試験に合格して学会などにも出席して深く勉強している人達のことをいいます。

先ほど漢方専門医の数は2,148名と言いましたが、少なくとも1500人は保険のエキス漢方だけの治療しかしていないとも言われています。

つまりエキス漢方だけではなく、本当の専門性を持って漢方医と言えるのはせいぜい600人ほどとなっているようです。

漢方専門医の仕事

漢方では、同じ病気や症状でも、その人の体質に合った薬が必用となります。
このように病名ではなく、患者さんに合わせた投薬の仕方は東洋医学だからこそできることです。

そのため漢方専門医は一人一人診察し、症状や体質に合った漢方薬を処方して、体調を整え方や必要な養生法についても指導します。

漢方は通販でも購入できる

漢方薬自体は通販等でも簡単に購入し、手軽に服用できるようになりました。
しかし、その場合は自費診療となり値段が3倍になります。

後期高齢者の患者さんであれば1割負担で済むところを10倍の値段で購入しなければならないのです。

そのような背景の中で「漢方専門医」は10年後ほとんどいなくなるとも考えられています。

しかし、西洋医学も東洋医学も学んだ「漢方専門医」の治療は、どちらかの医学のみを学んだ医師よりもより効果のある治療ができることから、今後もっと増えることを期待します。