漢方での冷え性の考え方

まず、冷え症とは、手や足の末端が冷えてしまうことを指します。腰に冷え性の症状が来る人もいます。特に女性の悩みに多く、生理やホルモンバランス、自律神経の乱れからも冷え性になります。
冷え性は単に体の熱が落ちているだけでなく、血行が悪かったり、神経の乱れなどから体の巡りが悪くなり、冷えを発症します。漢方は、体の巡りを良くする、というのは得意な分野と言えるので、冷え性対策としての方法として取り入れるにはおすすめなのです。

冷え性のタイプとは

みんながみんな、同じ方法を取れば改善されるというわけではありません。
ここで、東洋医学で言うとタイプを分けることが出来るのです。そのいくつかのタイプ中で、冷え性に関係のあるのが
気虚(きけつ)タイプ、瘀血(おけつ)タイプ、水毒(すいどく)タイプです。なぜ冷えるのか、この特徴を見て当てはまるタイプをまず見つけましょう。それに合った漢方を飲むことで、効果を出しやすくします。

タイプ別の特徴と漢方

■気虚タイプについて
・特徴
朝が苦手で、疲れやすいタイプで、声が小さいことが多いです。
食が細く、たくさん食べるとすぐに胃もたれしてしまいます。人一倍風邪をひきやすい面を持っています。
気虚タイプは、エネルギーが不足していることから熱を作りづらく、冷え性になっていることが多いです。
ちなみに、エネルギーが足りないタイプだからと、無理して脂っこいものや焼き肉などをガツガツと食べても、気虚タイプは胃もたれしてしまうので気を付けましょう。疲れた時は、しっかり休んでください。
・おすすめの漢方
十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)/人参養栄湯(ニンジンヨウエイトウ)など

■瘀血タイプについて
・特徴
瘀血タイプは、血行の流れが悪いため、クマやアザなどが出来やすくなります。肩こりや便秘、生理痛なども起こりやすくなっています。
瘀血タイプは、血行が悪いことによって、熱が運ばれにくくなっていることが原因です。
ちなみに、寒いからと、暖房などに頼りすぎはいけません。夏場の冷房にも言えますが、あまり機械による熱の調整をしていると、体調を壊しやすくなります。足湯や、腹巻などで、なるべく自然の対策を心がけましょう。
・おすすめの漢方
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)/加味逍遙散(カミショウヨウサン)/当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)/温経湯(ウンケイトウ)など

■水毒タイプについて
・特徴
むくみやすく、さらにのども乾きやすく、汗をかきやすい人です。体の重さを感じている人が多いでしょう。
水毒タイプは、体の水分が多すぎたり、偏って溜まってしまっていて、その水の溜まるところが冷えてしまいます。このタイプは、指先などよりは腰に冷えがきます。
ちなみに、水を出すためにとサウナや長風呂などで汗をかこうとする人がいますが、結局その後急激に体の熱が下がってしまいます。それならば、シャワーなどでさっとすましてしまった方が良いでしょう。水は、冷たいのをガブガブではなく、常温を少しずつ飲むよう心がけましょう。
・おすすめの漢方
苓姜朮甘湯(リョウキョウジュツカントウ)/当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)など

漢方で温めて冷え性を解消

お風呂に入っても手先足先が冷えている、いつも冷えを感じているというのは、現在女性に限らず男性でも抱えている悩みです。
そこで、今回は体を内から温めてくれる漢方を紹介します。
冷えで悩んでいる方は、原因がいくつかのタイプに分かれます。自分はどのタイプに属しているのかを考えてみましょう。また、初めて漢方を服用する方や、すでに他の漢方や薬を服用している方に関しては、医師や専門医へ相談することをおすすめします。また、体質的に合わない場合もあるので、服用後、吐き気や胃のむかつきが激しい場合にはすぐに病院へ連絡してください。

冷えを改善して体を温める漢方薬

・血の巡りが良くないために温まらない
このタイプは、血行不良によって熱を手先足先まで正常に運べません。原因は、ストレスやホルモンバランスの乱れが多く、自律神経失調の症状でも現れます。これらは、交感神経が優位に働きすぎてしまい、末梢血管が収縮するために起こっています。
そのために、部屋の中が暖かかったとしても、体が温まるまでに時間がかかります。
このタイプにおすすめの漢方薬は、当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)です。
血行を促進し、ホルモンバランスを整えてくれる漢方なので、生理痛、生理不順、不妊症など女性特有の悩みにも答えてくれる嬉しい漢方薬になります。
【ブレンドされている生薬】
当帰(トウキ)
川芎(センキュウ)
芍薬(シャクヤク)
蒼朮(ソウジュツ)か白朮(ビャクジュツ)
沢瀉(タクシャ)
茯苓(ブクリョウ)

・胃腸の弱まりによって温まらない
このタイプは、胃腸が元々弱かったり、暴飲暴食によって胃が疲れてしまっていたり、ストレスによって胃が弱ってしまっていたりとその原因は様々です。
しかし、どれにしても、胃腸が弱っていることで、消化機能が落ちてしまい、栄養をしっかりと体に取り込めないことから、体を温めることの出来ない現象です。
このタイプにおすすめの漢方薬は、当帰芍薬散加人参(トウキシャクヤクサンニンジン)です。文字通り、先ほど紹介した漢方薬に人参(ニンジン)が加えられたものです。人参(ニンジン)は、消化機能の働きを助けてくれる漢方なので、胃腸の弱まっている人にとっては良いサポートをしてくれます。
【ブレンドされている生薬】
当帰(トウキ)
川芎(センキュウ)
芍薬(シャクヤク)
蒼朮(ソウジュツ)か白朮(ビャクジュツ)
沢瀉(タクシャ)
茯苓(ブクリョウ)
人参(ニンジン)

・新陳代謝が低下したことによって温まらない
運動不足や、加齢、日ごろの疲れなど、理由は様々ですが、新陳代謝が落ちてしまうことで全身に寒気、冷えを感じるのがこのタイプです。これは、体が冷えるだけでなく、太りやすくもなってしまいます。また、風邪のひきはじめの可能性もあります。
これにおすすめなのは、2つあり、一つは桂枝湯(ケイシトウ)です。
この後紹介する漢方薬と併用して飲むのをおすすめします。桂枝湯(ケイシトウ)は、体力が落ちているところに元気を取り戻してくれる漢方薬です。
【ブレンドされている生薬】
桂皮(ケイヒ)
芍薬(シャクヤク)
生姜(ショウキョウ)
大棗(タイソウ)
甘草(カンゾウ)

もう一つは、麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)です。
風邪の引きはじめに用いられる漢方薬です。ブレンドされている3つの生薬すべてが体を温める漢方になります。体を内から温めてくれるでしょう。
【ブレンドされている生薬】
麻黄(マオウ)
附子(ブシ)
細辛(サイシン)