漢方の”未病”とは、病気ほどではないけれど健康とは言えない状態を指しています。
色々な兆候は気になるものの、日常生活に支障がないことから無理をしてしまいがちです。

未病にも対策が必要

未病は放っておけば治るわけではなく、むしろ放っておくことで乱れが大きくなり病気になることもあります。

これには心の状態も深く関わっていて、未病の治療には”心と体の両方を健康な状態に保つ”ことが大切です。

漢方で未病のケア

漢方は西洋医学の薬と異なり、病気をピンポイントに治すのではなく、体調を元に戻して自然治癒力を高めることに着目しています。
そのため未病のケアにも最適です。

漢方は体質・体調と症状等に合わせて服用して心身共に健康な状態に保てるようにしましょう。

気・血・水

漢方は症状だけで薬を判断できないことから多くの”ものさし”が必要になります。

その代表的なものの1つが「気・血・水」の3要素です。

●気:元気・気力といった目に見えない生命エネルギーのこと。

●血:血液とその働きのこと。

●水:血液以外の水分とその働きのこと。

漢方では身体の中の「気・血・水」の3要素がバランスよく保たれて循環している状態を”健康”と判断します。

「気・血・水」の乱れ

気・血・水はどれかが不足・滞ることでバランスが崩れて体調を崩してしまいます。

”気”は、過度のストレスが加わると生命エネルギーが減り”気虚”に、生命エネルギーの滞りが”気うつ”、生命エネルギーが正常に広がらない”気逆”等が生じます。

この”気”が乱れることで血や水にも影響して、様々な症状を引き起こすのです。
漢方では気・血・水の足りない部分を補い、流れをスムーズにして身体の機能を正常に戻します。

心身のバランスを整える漢方とは

漢方薬を選ぶときには”気・血・水”の他にも”陰陽”や”証”といった多くの”ものさし”が必要になります。

体質等によっても合う薬は異なりますが、憂うつや不安、不眠、イライラ等の精神症状に困っているときには半夏厚朴湯や香蘇散があります。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

神経質で生真面目な人でうつや神経症、ヒステリーなどの精神症状を伴う人に用いられます。

不安感、不眠症、のどの異物感や胸の圧迫感、動悸、吐き気、声が出にくいなどの身体症状の緩和にも効果を発揮します。

香蘇散(こうそさん)

所期の軽いうつ病に効果を発揮します。

内気な性格の人で、ストレスが発散できずに憂鬱な気分を感じ、なんとなく不安で眠れない、意欲がわかない、耳がふさがったような症状、食も細い等の場合に使用します。

気剤(気の不足を補う薬)として用いて、普段から胃腸が弱い人や風邪の症状にもよく効きます。

さいごに

未病の予防にも体質・体調に合った漢方薬を選ぶことは大切です。

上記の他にも、胃腸が弱く体力がない場合は”六君子湯(りっくんしとう)”や”柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)”。

頭痛やめまい・肩こり等には”葛根湯(かっこんとう)”や”半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)”があります。

症状は複数であることも多いことから漢方の種類を選ぶときには漢方に熟知した先生がいる医療機関や漢方のお店で相談して購入するようにしましょう。