桂枝加竜骨牡蛎湯とは

桂枝加竜骨牡蛎湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)は、心にも体にも働きかける作用があり、高まった気持ちを落ち着けてくれる漢方薬になります。
桂枝加竜骨牡蛎湯には、桂皮(ケイヒ)、竜骨(リュウコツ)、牡蛎(ボレイ)、芍薬(シャクヤク)、生姜(ショウキョウ)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)がブレンドされています。
痛みや不安定な気持ちを和らげ、気力を取り戻してくれます。

桂枝加竜骨牡蛎湯の漢方について

・桂皮(ケイヒ)…クスノキ科ケイもしくはそれに近い植物の幹か、樹皮を使用しています。腸蠕動運動亢進作用があるため、お腹のハリなどを調整してくれます。
・竜骨(リュウコツ)…象や牛など、古代哺乳動物の骨の化石から出来ている漢方です。おへそから下の、ドクドクとした動悸を抑え、緊張を止めてくれます。
・牡蛎(ボレイ)…イボタガキ科のマガキなど、カキの貝殻のことを指します。鎮静作用があり、不安定な気持ちを落ち着けてくれ、変に止まらない汗を止めてくれる作用も期待できます。
・芍薬(シャクヤク)…キンポウゲ科、ボタン科シャクヤクもしくはそれに近い植物の根から出来ています。肝臓の働きを強めてくれて、体が疲れている時などにも有効な漢方です。
・生姜(ショウキョウ)…ショウガ科ショウガの根茎で、発散作用があります。さらに、健胃作用もあるため、吐き気などを静めてくれます。
・大棗(タイソウ)…クロウメモドキ科ナツメの果実で、漢方薬では様々な成分同士衝突を防ぐために使用されています。そのため、様々な漢方薬に入っている漢方です。
・甘草(カンゾウ)…マメ科ウラルカンゾウもしくはそれに近い植物の根から出来ます。甘みのある漢方なので、甘み付けとしても良く様々な漢方薬に使用されています。

桂枝加竜骨牡蛎湯の主な効能

体を芯から温めて、気持ちを落ち着けてくれる作用があります。イライラして頭に血が上りやすかったり、不安や緊張が続いている人、疲れが取れない人、性的なノイローゼ状態の人に効果的です。

桂枝加竜骨牡蛎湯を飲む際の注意点

まず、漢方は何を飲むにしても、持病のある人、薬を飲んでいる人は医師や専門医に確認しておいてください。これは、市販薬の場合も含みます。
甘草が含まれる漢方薬と合わせて飲むと、偽アルドステロン症の副作用が出る場合があるので注意しましょう。

桂枝加竜骨牡蛎湯の飲み方

漢方薬の場合は、基本的に食前か空腹を感じた時の食間に飲みます。
顆粒の場合は、お湯で溶かしてから飲みます。これは、水でも構いませんが、常温の水をおすすめしています。
食欲がない場合や、吐き気がある場合は、胃の負担も考えて食後にしても大丈夫です。

桂枝加竜骨牡蛎湯で考えられる副作用

桂枝加竜骨牡蛎湯を服用したときに考えられる副作用は、胃がムカムカしてしまったり、食欲がなくなることです。これ自体あまり起こることは無く、起こったとしても次第に慣れていきます。
甘草を大量に取ると、むくみや血圧の上昇のある偽アルドステロン症が出ることがあるので、飲みすぎには注意してください。
他にも、重く副作用が出ると、しびれや息切れ、動機が出てくるため、すぐに医者へ連絡をしてください。

心身を癒して寝つきを良くする漢方薬「酸棗仁湯」

酸棗仁湯は、主に「ストレスによる不眠」に用いられる漢方薬です。心も身体も疲れきって元気が無いのに、夜寝ようとしても寝付くことができない…そんな辛い状態を改善します。中国の漢時代から用いられている、歴史の長い漢方薬です。その名に冠した「酸棗仁」という生薬を中心に、疲れた心身を癒し、神経を落ち着かせて穏やかに眠りへ導いてくれる処方となっています。

西洋医学で用いる「睡眠薬」のような即効性はありませんが、慢性化した不眠体質において常習性や副作用をほとんど気にすることなく使用でき、不眠を伴う軽いうつや自律神経失調症などに補助薬的に用いれば、「眠れない体質」そのものをじんわり改善してくれるとして現在でも重宝されています。

酸棗仁湯の生薬について

・酸棗仁(サンソウニン)…サネブトナツメの果実種子です。鎮静作用、安神作用があり、不眠の薬として用いられてきました。肝と心に作用し滋養強壮の作用も持ちます。

・知母( チモ)…ユリ科のハナスゲという植物の根茎を乾燥させたものです。寒性の生薬で、これによって解熱、消炎、止渇の効果をあげます。

・茯苓(ブクリョウ)…サルノコシカケ科マツホドの菌核を輪切りにしたもので、利水の代表的な生薬です。体内の水分バランスを調整しむくみや動悸を取り去ります。また脾を養い心を落ち着ける作用もあります。

・川芎(センキュウ)…セリ科のセンキュウという植物の根が原料です。活血行気の生薬で、血流を改善し、血が滞ることによって起こる頭痛や疼痛を和らげます。また香りによって気うつを晴らします。

・甘草(カンゾウ)…マメ科カンゾウの根を乾燥したものです。有効成分としてグリチルリチンや配糖体などを含み、鎮痛作用や抗炎症作用を持つほか胃を養い力をつける生薬としてあらゆる漢方処方に配合されています。

酸棗仁湯の効能

主薬である酸棗仁によって薄くなった「気血」を補い、「肝(栄養の貯蔵と情緒を管理する器官)」と「心(血と神経を管理する器官)」の働きを取り戻すことがこの漢方薬のメインの働きとなります。

というのも、ストレスや疲労からくる不眠というのは「肝」「心」が弱っていることから起こる症状と言われているのです。肝はストレスや疲労にとても弱く、これらにさらされると「気」や「血」といった生命エネルギーをあっというまに消耗してしまいます。すると「肝」はもちろん、そこから栄養を貰っている「心」もエネルギーのない干からびた状態となってしまい、余計な熱を持ってそれを溜め込んでしまうのです。不安や動悸、不眠といった症状はこの熱がもたらしています。

そこで、酸棗仁がエネルギーの足りなくなった「肝」に血を補って力をつけつつ、川芎が血の滞りを解消して熱を流し去ります。また、寒性の知母は、上半身に集まった熱を冷ましてくれます。

そのうえで酸棗仁と茯苓の「陰虚(潤い)」を補給する作用が働くことで、心身の疲れがきちんと癒されていき、ひいては肝と心にエネルギーのめぐりが戻って眠りのリズムも正常を取り戻すことができるのです。

酸棗仁湯の使用法

「湯」は煎じ薬の意味ですが、現在では濃縮乾燥させた「エキス剤」が主流です。1日量を2、3回に分けて食前または食間、つまり基本的には空腹時に服用します。

西洋薬の「睡眠剤」とは違うので、夜寝る直前に頓服として使用するのではあまり効果が期待できない場合があります。飲んだからといってすぐに眠くなる、という薬ではないので、医師と相談して決められた時間に習慣的に飲むのが良いでしょう。

副作用などはあるか

穏やかな処方ですから、用法用量を守って服用する限りは重篤な副作用の心配はないでしょう。ただし「酸棗仁」には緩下作用があるため、お腹を下しがちな人は医師と相談の上服用するかどうかを決めます。

また「甘草」に含まれる成分「グリチルリチン酸」は大量摂取によりむくみや高血圧などが現れる可能性がありますので、服用中はよく観察し、心配があればやはり医師に相談してください。