漢方とは自然の生薬(しょうやく)のいくつかを組み合わせたものです。

西洋薬ほど即効性はないものの、体に合わせて治療できる点で好まれています。

漢方と西洋薬

漢方と西洋薬の大きな違いは、西洋薬では病名によって薬を選ぶのに対して、漢方は患者さんの体質・症状等から総合的に診て薬を決めます。

そのため西洋薬ではその病気の症状を確実に抑えることができ、強い効果があります。

しかし、漢方は体質・体調を整えて、病気の抵抗力を上げて体の自然治癒力を高めて、体の元から治療しようとします。
そのため効き目は西洋薬と異なりゆるやかです。

薬の種類

西洋薬では錠剤、カプセル剤、シロップ剤、坐剤等があります。
一方、漢方薬は煎じ薬、エキス剤、丸剤等があります。

煎じ薬:生薬の成分を抽出した液体の漢方薬のこと。
エキス剤:工場で生薬の成分を粉状にした漢方薬のこと。

漢方薬は多種の生薬を配合しているのが特徴です。

漢方薬の特徴

西洋医学の薬は品質が比較的安定している一方で、漢方薬は自然の生薬を使っていることから、その年や収穫場所によってもバラつきが出ることがあります。

またエキス剤はメーカーによって若干の含有量の違いがあります。

その点、煎じ薬は生薬そのものの味わいを楽しめたり、エキス剤よりも多くの効果が得られて、自分の体質に合わせた漢方薬を作ることが可能です。

※エキス剤の成分量は生薬の70%以上

薬の選択の仕方

西洋医学では様々な検査を行った上で病名を決めて薬を選びます。

一方で漢方では、患者さんの体質・体調が分かる”ものさし”を元に薬がを選びます。

そのため漢方は、同じ病名でも同じ処方を用いるとは限らず、同じ処方でも違う病気に用いられることもあります。(同病異治・異病同治)

漢方の診断方法

漢方は”四診”によって患者の体質と症状を判断して診断します。

四診:東洋医学の主体となる診断法です。
望・聞・問・切の4つがあります。

・望診(ぼうしん)
目の色や、舌の色、爪の色、顔色、表情、態度、姿勢、体型などを目で見て診断するものです。

・聞診(ぶんしん)
声の張りや大きさ・トーン、話し方、咳の出方、痰(たん)のつまり方等の様子、呼吸音などを聞きます。
場合によっては排泄物や体臭・口臭を嗅ぐこともあります。

・問診(もんしん)
患者さんの自覚症状や、普段の体質、これまでにかかった病気、食べ物の好み、ライフスタイル、仕事、月経の様子などを聞き診断します。

・切診(せっしん)
患者さんの体に触れてその状態を診ます。
その診断は大きく分けて2つあります。

1.脈診…脈のリズムを診断する
2.腹診…お腹を指で押して腹部を診断する

病気の考え方

西洋医学:臓器は一つ一つが独立していてそれぞれの専門家が診療する。

漢方:それぞれが相互に作用し合っていて、病気は、体内のバランスの乱れによって起こると考える。

つまり西洋医学では症状毎に薬が処方されて、漢方では全体としての症状に1、2種類の漢方薬が処方されるので漢方薬は薬が少なくて済みます。

効果と服用方法

西洋医学:即効性があり効き目が強い薬が多い。副作用が出ることもある。
食事と共に服用することが多い。

漢方:効果が緩やかで効き目も穏やか。副作用が出ることもある。
基本的には食前もしくは食間の空腹時に服用。

漢方薬と西洋薬

西洋薬は症状にピンポイントで治療して即効性があり、緊急性があり症状の重い場合に適しています。

一方で漢方薬は検査をしても異常がないのに自覚症状があるというような未病(病気ではないが放っておくことで病気になる)の症状に最適です。

未病:慢性の病気、体質改善、生活習慣病、成人病等

病気の原因が特定できる場合には西洋薬を、慢性的な症状に体全体を整えて治療をするときには漢方薬がおすすめです。

また、直接的に感染症の菌を殺す、熱や痛みをとる、血圧を下げるといった作用する西洋薬と、体のバランスを整える漢方薬を併用することで健康的な体質になりながら治療できます。