漢方とは自然の生薬(しょうやく)を用いたものです。

西洋医学の癌治療の現場では、漢方治療を拒否していた過去があるものの、最近では西洋医学と漢方が融合されています。

漢方と西洋医学

中国伝来の医学に日本独自の発展を遂げた漢方はオーダーメイドの薬です。

西洋医学が病気の症状にピンポイントで効果があるのに対して、漢方は患者さんの体質・体調を整えることに重きを置いています。

そして現在では72%の医師が漢方を使用しています。

漢方と副作用

漢方医学は自然の生薬を用いていることから西洋医学の副作用よりはやさしい医学となっています。
そのため漢方医学での臨床試験ではどのような効果があるのかに重点が置かれてきました。

その研究には煎じ薬かエキス剤での服用か、また患者さんの体質に合わせた項目での実験も必要になってきます。

科学的根拠(エビデンス)

西洋医学では必ずと言っていいほど求められる科学的根拠(エビデンス)は、漢方医学では乏しいとされてきました。

西洋医学と比べて比較的緩やかな効能で体質に合わせた漢方薬は、人での効果が証明されるまでも一苦労です。

因みに患者さんの体験談や医者の経験談のような個人的ものは、科学的証拠の最低レベルに位置付けられています。

「使用したことがある」というだけではなく、客観的なデータの豊富さや作用のメカニズムが分かることが重要です。

小規模な臨床試験

漢方では動物を使った実験や小規模な臨床試験が多いです。

しかし漢方の歴史は2000年を超えて、抗がん剤や放射線治療にも有効な漢方薬が報告されることも増えました。

漢方はがん治療の副作用の軽減やQOL(生活の質)の改善等にも効果を発揮しています。

漢方と動物実験

近年ではペット漢方も比較的購入しやすくなりました。
ペット漢方はペットの種類にも合わせて使用できることや人間以上に効果が期待できる利点もあります。

このことから人間への漢方の効果の研究には動物への効果にも貢献されることが分かっています。

漢方製剤会社の研究

ツムラやクラシエといった有名漢方製剤会社は安心・安全で品質の安定した漢方薬のために日々、生薬の研究を行っています。

生薬は自然の原料のため、収穫場所やその年によっては品質にバラつきが出やすいのです。
その品質を保つためにも産地の選定や生薬鑑定、品質管理は欠かせません。

こうして厚生労働省から認可をもらい、私達が安定して服用できるようになっています。

日本漢方医学研究所

昭和47年03月に設立された一般財団法人です。

漢方医学が正しく理解され、国民の健康維持に貢献することを目的に掲げています。

その方針には漢方医学の古典的文献の研究から和漢薬(日本で開発される薬)の選品・研究、漢方医学講座で、漢方医学を応用できる医師の養成に、内外医学界との交流と”漢方の研究”に大きく貢献しています。

漢方と東洋医学の違い

漢方とは”日本における中国伝統医学の総称”とされています。
漢方の生まれは中国であるものの、医学としての漢方は日本伝統のものです。

漢方の歴史は2000年を超えて、私たちが安全に使用できるように研究されてきました。
その効き目や安全性に関する長い経験に基づいて築き上げられた医療体系が”現在の漢方”となっています。

漢方の目的

漢方は自然が陰と陽といったバランスでできているように、人の体も陰と陽のバランスが重要な要素の一つとされています。

健康な時には陰と陽がバランスよく保たれていますが、体調が悪く病気の時には陰と陽のどちらが強くなっているのかを判断します。

そして”陰陽”や”証”といった判断材料から、患者さんに合った漢方を処方するのです。

陰陽も証(陰証・陽証)もどちらの方が良いというわけではなく、バランスのとれた状態に正すことが大切です。

漢方の治療

漢方は病気を治すことよりも、体調を元の状態に戻して自然治癒力も上げることが基本にある点で西洋医学とは異なります。

そのため漢方では、病名が同じ人でも証が違うことで異なる漢方薬が処方されたり、病名は違っても証が同じ人と同じ漢方薬が処方されることがあります。

漢方の歴史

古代には魔法医療という祈祷やまじないから始まり、その後生薬を用いての治療が始まりました。

そして漢代から三国六朝時代にかけて一つの医学体系が完成されました。
その医学が5世紀初めに日本に伝えられて、その後には遣隋使・遣唐使によって中国文化の輸入が始まります。

●平安時代…専門の医師が医療を行うようになる

●鎌倉時代…僧侶が医療に携わる

●室町時代…外科や産科等の医業分化が進む

日本での医学

日本での漢方医学 (東洋医学)は、1500年以上前の紀元5から6世紀の奈良時代に導入されました。

そして江戸時代以降にはオランダ医学が導入され、オランダ医学と区別するために漢方医学とよばれるようになります。

東洋医学とは

明治時代には西洋医学を勉強した者を医師と認めて、漢方医学は衰退していく傾向にありました。

しかし西洋医学の一部の医師は漢方医学が不要な医学とは思っていなかったことから、漢方医学は復活します。

そして西洋医学に対する言葉として漢方は東洋医学と呼ばれるようになりました。
※東洋医学の東洋は、東の海(洋)の国という意味で”日本を含めたアジア”を指しています。

東洋医学という言葉は西洋医学と同じように素晴らしい医学であることを表しています。

漢方医学 (東洋医学)と西洋医学

漢方専門医は医師免許を有していて且つ「日本専門医認定機構」の定める学会の認定医または専門医を有している者が、3年以上継続して会員の所定の単位数(7単位)を取得。

その上で、学会が定める研修施設で3年以上東洋医学の臨床に修練を積んだ人が認定されます。

つまり漢方には西洋医学との融合が必要不可欠になっています。

比較的効果の緩やかな漢方(東洋医学)は、西洋医学の即効性のある薬と併用することで、すぐに症状を落ち着かせて体質・体調を健康な状態にすることが求められています。