日常生活で頻繁に起こる”耳鳴り”は検査をしても原因が分からないことがあります。

そういった原因不明の耳鳴りも、漢方薬で体質・体調を立て直して症状を緩和させることに期待できます。

西洋医学と漢方(東洋医学)の病気の捉え方

西洋薬は病気を特定して、1つの症状に1つの薬でピンポイントで治療しようとするものです。
その病気の原因を取り除き正常に戻すことで症状を回復させています。

しかし耳鳴りはそのメカニズムも知られていないことが多く、検査をしても原因を特定できないことが多いです。

一方、漢方(東洋医学)では、病気を体の一部分の異常ではなく、体全体のバランスが崩れたことで生じるものと捉えます。
そのため治療でも体全体のバランスを整えることに重きを置きます。

未病(みびょう)

”未病”とは、病気ほどではないけれど健康とは言えない状態です。
未病は色々な兆候が気になるものの、日常生活に支障がないことから無理をしてしまうことがあります。

しかし、これは放っておけば治るわけではなく、むしろ放っておくことで体の乱れが大きくなり、症状の悪化・病気になることもあるのです。
未病には心の状態も深く関わっていて、治療には”心と体の両方を健康な状態に保つ”ことが大切です。

つまり病気・症状の特定が難しい場合も、漢方であれば有効な治療が望めることがあります。
全身の調子がよくなれば、本来持っている治癒力が高まり、ある部分の症状も回復すると考えられているのです。

漢方で耳鳴りのケア

原因不明の耳鳴りも未病と同様に、早めの症状の緩和で体全体の乱れを正し症状を改善する必要があります。

「自律神経失調症」や「更年期障害」などの随伴症状として起こっている耳鳴りにも、漢方は有効です。

漢方治療では体質・体調等を元に戻して、自然治癒力を高めて心身共に健康な状態に保てるようにしましょう。

耳鳴りに効果的な漢方薬

耳鳴りの症状によく使われる漢方薬には、次のものがあります。

●八味丸(はちみがん)

虚弱体質で冷え性の人に用いられる漢方薬です。
主に高齢の人に処方されます。

体力が低下して顔色もすぐれず、おへそから下の下腹部がふにゃふにゃして張りがないのも目安です。

体の弱った機能を補い、老化による耳鳴りや足腰の冷え、泌尿器等の下半身の衰えも改善して元気にします。

具体的には足腰の痛みやしびれ、腎機能低下に伴う夜間頻尿、性機能低下、乾燥肌の痒みや湿疹、そのような症状を伴う前立腺肥大症や糖尿病にも用いられます。

●柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

体格が良く体力のある人に用います。

竜骨と牡蠣等には精神を安定させる作用があります。
他にも強壮・解熱の薬効も含まれています。

みぞおちから肋骨の下にかけて、ものが詰まったような膨満感や、胸やわき腹が苦しい状態を伴う精神神経症状、精神不安、不眠、のぼせ、イライラ、動悸、便秘などに使用します。

神経の高ぶりを鎮めて気力をつけることで心の状態を改善します。
冷え症や自律神経失調症、不眠症、うつ状態、高血圧や動脈硬化等と併発している耳鳴りに効果的です。

●釣藤散(ちょうとうさん)

普通程度の体力があり、暑がりの人に用いられる漢方薬です。

中年以降の慢性的な頭痛や頭重感に適応します。
特に起床時から午前中にかけての症状に良いようです。

高血圧や動脈硬化に伴う耳鳴り、肩こり、めまい、のぼせ、抑うつ、不眠などがある人に向いています。

使用する際は、医師や漢方専門医等がいる医療機関・薬局で相談した上で、自分に合った漢方薬を選びましょう。

月経のメカニズム

月経のメカニズムには、子宮の内側の子宮内膜が関係しています。
子宮内膜は厚くなり、毎月1回剥がれて落ちるのが月経です。

無月経は子宮内膜が委縮したりと、妊娠を控えている方は特に早めの治療が大切になります。

無月経の2パターン

●原発性の場合:18歳(性機能が成熟する年齢)を過ぎても初経(月経)になったことがない

原因の約半分は卵巣形成障害が占めていると言われています。
その他には、性中枢・内分泌の異常によるものと考えられています。

一般的には初経が16歳を過ぎても来ない場合は産婦人科を受診しましょう。

●続発性の場合:今まで周期的に月経があった月経が3カ月以上停止したもの

原因

原因はホルモン分泌の異常や排卵障害で起こるとされています。

子宮内膜の状態はエストロゲンとプロゲステロンというホルモンの量によって調節されています。
またエストロゲンとプロゲステロンは他のホルモンの量によって調節されています。

治療

排卵障害による無月経は、ホルモン療法や排卵誘発剤で治療します。

一部の薬剤による副作用等が原因の場合は、取り除くことで自然に回復することがあります。

中国医学と無月経

中国医学では臓器等の器質的に異常がない原因不明の無月経に効果を発揮します。

・月経が始まる年齢になっても初潮がない場合
・月経遅れで経血量の減少して無月経に至る場合

以上のような”血枯タイプ”で栄養が不足していて子宮を養うことができない時に無月経になると考えられています。

虚弱体質で発達が遅い場合や(特に成長期で代謝が高まる時期の)無理なダイエットは、必要な栄養が摂れずに無月経になりやすいです。

気血虚弱タイプ

「脾・胃」は胃腸のことです。
食べ物からエネルギーの源となる”気”を作ります。

これらがうまく働けないと、体を養う気や血が作り出せずに子宮・体全体の機能減退症状がみられます。

体質:虚弱体質、飲食の不摂生、過労、悩むことが多い

症状:めまい、頭がくらくらする、食欲がない、小食、息切れ、やや軟便傾向、元気が出ない、疲れやすい、話す気力もない

月経の特徴:薄い血・周期は遅れぎみ・血量少なめ・淡い薄めの色・さらさらしている

人参養栄湯

虚弱体質で冷え性の方に適しています。
貧血気味で顔色が悪く、疲労衰弱、病中・病後、手術後等の体力が弱っているのも目安にあります。

体力と気力を補って元気にしてくれます。

片頭痛でお困りの人におすすめの漢方薬

頭が急にズキっと痛んだことはありませんか?
こめかみや目の辺りで、なんだかリズム的に痛みが続くものが片頭痛です。その痛みの長引き方は人によって様々です。また、その痛みの重さも様々ですが、この片頭痛は多くの方を悩ませています。
そんな困った片頭痛にも、漢方は有効なのです。
あまりに痛みがひどい場合は医師への相談をおすすめしますが、よく片頭痛になるということを分かっている場合は早めに漢方薬を検討すると良いでしょう。
また、頭痛にも片頭痛以外に様々なものがあります。今回は、頭痛別に良いとされる漢方薬をご紹介します。

頭痛別におすすめの漢方薬は?

・片頭痛の場合
片頭痛の場合、良く起きるとわかっている人は呉茱萸湯(ゴシュユトウ)という漢方薬がおすすめです。
頭痛や嘔吐を抑え、体を温めてくれます。痛くなる前に飲むようにしましょう。
もしも、すでに片頭痛が起こっている場合は五苓散(ゴレイサン)という漢方薬を飲みましょう。
吐き気やむくみなど、水分循環に関係するものを整える働きがあります。利尿作用の多い漢方です。他にも、女性はPMS(月経前症候群)などによるイライラなども片頭痛に関係することがあります。
その場合でも、PMS(月経前症候群)、片頭痛どちらにも働きかけてくれる五苓散(ゴレイサン)はおすすめです。

・高血圧による頭痛の場合
高血圧によって起こる頭痛には釣藤散(チョウトウサン)という漢方薬がおすすめです。
高血圧や動脈硬化によって起こる症状を和らげる働きをするもので、頭痛の他にめまいやのぼせ、不眠などにも効果的です。
主に中高年の方に勧めることの多い漢方薬になります。この漢方薬自体、あまり体の弱い方にはお勧めできないものなので、服用時には注意が必要になります。

・めまいから起こる頭痛の場合
めまいからくる頭痛には、半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)という漢方薬がおすすめです。半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)自体は、むくみなどに効果的な漢方で、不要な水分を出し、正常にしてくれる働きがあります。体内の水分を調整することで、めまいの症状を和らげてくれる漢方を多く含んでいます。
ちなみに、低血圧でお悩みの方にもおすすめ出来ます。高血圧の方や、普段からのぼせ気味の人が服用すると、かゆみや赤みなどが出てしまう恐れがあるので注意しましょう。

・低気圧による頭痛の場合
よく、低気圧の時に頭痛になる方がいます。そういう方には、片頭痛の時におすすめした五苓散(ゴレイサン)がおすすめです。
よくなってしまう人は、天気予報で低気圧予報の時には持ち歩くようにしましょう。

・緊張して起こる頭痛の場合
緊張によって頭痛が起こってしまう方は、葛根湯(カッコントウ)がおすすめです。
葛根湯(カッコントウ)は、風邪に良いとされることが多いですが、緊張によって浅くなった呼吸を整えてくれる働きも期待できます。緊張をほぐすことで、頭痛を和らげます。ただし、風邪に良いと言われているだけあって発汗作用のある漢方が含まれているため、汗をかきやすい人には向かないので気を付けましょう。
他にも、片頭痛や低気圧での頭痛の時におすすめした、五苓散(ゴレイサン)でも対応できます。

耳鳴りに悩んだら漢方を

耳鳴りがすると、ゆっくりと休めずに気が散ったり、イライラしたりと生活に悪影響を与えてしまいます。しかし、耳鳴りも、体からのSOS信号なので、きちんとケアをしてあげる必要があります
薬で一時的に解決することは出来るかもしれませんが、それでは解決したことにはなりません。しっかりと体の奥、根本から治していくことをおすすめします。
それに効果的なのが漢方です。もちろん、症状別に選んでいく必要はありますが、心や体へ優しく働きかけてくれます。

耳鳴りで悩んでいる方におすすめの漢方

・柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)
髙ぶりすぎた神経を鎮めてくれる働きのある漢方薬です。
メニエール病や自律神経失調症などにも使用されて折り曲げ厳禁、ストレスによる耳鳴りにおすすめできます。
ただし、比較的体力の残っている人におすすめ出来る漢方薬なので、体調が悪すぎる場合などは避けてください。
【ブレンドされている生薬】
柴胡(サイコ)
竜骨(リュウコツ)
牡蛎(ボレイ)
黄ごん(オウゴン)
大黄(ダイオウ)※この漢方を含まないメーカー有
半夏(ハンゲ)
人参(ニンジン)
茯苓(ブクリョウ)
桂皮(ケイヒ)
生姜(ショウキョウ)
大棗(タイソウ)

・八味地黄丸(ハチミジオウガン)
高齢の人に用いられることが多い漢方薬です。老化や筋肉の衰えによって起こる耳鳴りにはおすすめできます。
なかなか疲れが取れなかったり、冷え性で悩みがちな人に効果を発揮する漢方薬なので、元気な人やのぼせ気味の方などは避けましょう。
【ブレンドされている生薬】
地黄(ジオウ)
山茱萸(サンシュユ)
山薬(サンヤク)
茯苓(ブクリョウ)
沢瀉(タクシャ)
牡丹皮(ボタンピ)
桂皮(ケイヒ)
附子(ブシ)

・桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)
女性が使うことの多い漢方で、生理不順やホットフラッシュなどに使われる漢方薬です。めまいや立ちくらみのあるような耳鳴りにはおすすめできます。ただし、便秘の人にはおすすめできないので注意しましょう。
【ブレンドされている生薬】
桂皮(ケイヒ)
芍薬(シャクヤク)
茯苓(ブクリョウ)
桃仁(トウニン)
牡丹皮(ボタンピ)

・桂枝加竜骨牡蛎湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)
冷えや自律神経失調症、眠れないことに悩んでいるという方におすすめできる漢方薬です。これらが原因による耳鳴りには効果的です。
体を温めて血の巡りを正常にしてくれるので、きもちを落ち着かせ、深い眠りに導いてくれます。
【ブレンドされている生薬】
桂皮(ケイヒ)
竜骨(リュウコツ)
牡蛎(ボレイ)
芍薬(シャクヤク)
生姜(ショウキョウ)
大棗(タイソウ)
甘草(カンゾウ)

・釣藤散(チョウトウサン)
高血圧による耳鳴りにおすすめできる漢方薬です。他にも、頭痛や肩こりにも使用でき、もちろんそれに伴う耳鳴りにも効果的になります。
高血圧以外にも、イライラが続く場合には服用してみましょう。
【ブレンドされている生薬】
釣藤鈎(チョウトウコウ)
石膏(セッコウ)
茯苓(ブクリョウ)
半夏(ハンゲ)
防風(ボウフウ)
菊花(キッカ)
人参(ニンジン)
麦門冬(バクモンドウ)
陳皮(チンピ)
生姜(ショウキョウ)
甘草(カンゾウ)