実は身近な薬膳―その素材の漢方的な読み方

健康や美容によいといわれる薬膳(やくぜん)――毎日の食事に取り入れてみたいときには、まずはどのような方法があるでしょう。書店に行って薬膳がのっている本や雑誌を買ってきてもよいかもしれません。たとえば生姜を使った料理は、とても身近ですが薬膳です。

ふつう生姜は「しょうが」と読みますが、漢方の読み方では「しょうきょう」で、実は漢方薬にも使われている素材なのです。

お料理によく使わせる大蒜や葱も薬膳素材です。漢方では大蒜(にんにく)の読み方は「たいさん」で、葱(ねぎ)の白いところは葱白と書いて、読み方は「そうはく」です。

このように薬膳は漢方の身近な取り入れ方なのです。薬膳は決してむずかしいものではなく、自分でつくることができるお料理なのです。

読み方に見る薬膳と漢方薬の類似点

薬膳というと漢方薬と関係がありそうですが、どのように違うのかと思われたかもしれません。

字であらわされるとおり、少し似ていて少し違います。

漢方薬は病気になったからだの状態を元にもどしてあげるものです。一方、薬膳はどちらかというと病気にならないように毎日の食事にとりいれたいものです。

漢方の本場、中国のお母さんたちは薬膳の知識を毎日の生活に取り入れています。からだをあたためたいときにはただ温度があたたかいスープというのではなく、からだをあたためる性質の羊肉や生姜を使ったスープを作ります。逆にからだを冷やしたいなら、きゅうりやトマトの料理を、咳が出るような乾燥する時期には梨スープを作ることもあります。

中国ではスープは「湯」と書きます。日本語での読み方は「とう」です。

漢方薬にも「湯」がついた名前がたくさんあることに気がつかれたのではないでしょうか。たとえば、かぜのときに飲む葛根湯の読み方は「かっこんとう」で「とう」がついています。

漢方薬ももともとは生薬(しょうやく)を煎じてスープのようにして飲むものなので、同じ「湯」がつくのですね。

基本の漢方用語―気・血・水の読み方

からだをあたためたり、冷やしたりといった、からだの状態に合わせて薬膳を作れるようになるためには、知っておきたい漢方用語があります。ここでは独特な読み方をするいちばん基本的な漢方用語を紹介します。

・気・血・水…き・けつ・すい

この気・血・水がいちばん基本的な漢方用語です。からだのいちばん基本となる三つのものをあらわしています。

読み方はふつうと少しだけ違います。血の読み方は「ち」ではなくて「けつ」、水の読み方は「みず」ではなくて「すい」です。

気が滞ったら気滞と書いて読み方は「きたい」、気が少ないのは気虚と書いて「ききょ」です。血が滞ったら瘀血と書いて読み方は「おけつ」、血が少ないのは血虚と書いて「けっきょ」となります。ほかにもいろいろな組み合わせの漢方用語があります。

そしてこれらの漢方用語はからだの状態をあらわしています。

このからだの状態に合わせて薬膳をつくると、病気にならないひとつの助けになるのです。

自分のからだや家族のからだの状態を知ることができたら、それに合わせた薬膳をつくることができたら、ますます毎日が充実したものになりそうですね。