日常生活や遺伝によって引き起こされる高血圧は放っておくと命にかかわる重篤な病気を引き起こします。さらに低すぎてもよくありません。そうならないために日々の食生活から血圧を安定させるように心がけましょう。

高血圧、低血圧とは

そもそも血圧の正常な値は、最高血圧が130mmHg以下、さらに最低血圧が85mmHg以下となっています。しかし、最高血圧140mmHg以上で最低血圧90mmHg以上の場合は「高血圧」とされます。高血圧にははっきりとした自覚症状がないため、気付かずにそのままにしておくと大きな病気を引き起こしてしまいます。

高血圧をそのまま放っておくと動脈硬化に繋がってしまうことがあります。動脈硬化とは血管が弾力を失い、血管の内腔が狭くなる状態をいいます。高血圧が長く続くと、血液の圧力に耐えるために、自然と動脈の血管壁が厚くなり、血液が流れる内腔(道)が狭くなってしまいます。

さらに気圧に耐え切れず血管が傷つくと、コレステロールなどの脂質がひっかかって溜まり、内腔はさらに狭くなります。したがって狭い道を通る血液の流れる抵抗が増え、血圧はますます上昇します。高血圧が動脈硬化を引き起こし、さらに高血圧になるという負のスパイラルを引き起こします。

動脈硬化は脳梗塞や心筋梗塞など重篤な病のきっかけとなってしまいます。

瘀血(お血)タイプの高血圧に効く食材

血がドロドロの状態で血行が悪い状態を瘀血(お血)といいます。ドロドロの血は血管を通る際抵抗が多く血管を気づ付けてしまいます。ドロドロの血液の人に多くみられる症状は舌が暗く紫がかっていて、顔色がくすみ、くまがあります。さらにめまい、冷え、しこり、胸の痛みや苦しさ、頭痛などを引き起こします。

そうならないためにも血をサラサラの状態にする食材を選んで血管の若さも保ちましょう。

血行を良くして血液をサラサラにする食材は玉葱、ネギ、にんにく、らっきょうなどが効果的です。血管のを錆びさせない食材は青魚、わかめ、昆布、サンザシ、ひじきなどがあります。

血熱タイプの高血圧に効く食材

強いストレスを感じることで血や血管、体内に熱がこもり、血流がとても早くなることで血圧が上がってしまいます。そのため舌や顔が赤くなったりのぼせ、めまいを引き起こし、口内が乾いたり尿が極端に黄色くなったりします。余分な熱と過剰なストレスを抑えてくれる清熱類の食材を摂取することで改善できます。

トマト、胡瓜、にがうり、レタス、冬瓜、もやし、セロリ、スイカ、などの食材が余分な熱を抑えてくれます。

血虚タイプの低血圧に効く食材

体内に血が足りていない状態のことを血虚といいます。特に女性は生理、妊娠、出産、授乳でも沢山の血を使うことから血虚タイプの低血圧になりがちです。また、加齢による高血圧の方、慢性な高血圧の方も血を補う必要があります。

ひどくなると舌の色が淡くなり顔色が青白い状態になります。貧血、めまい、息切れ、動悸、疲労感、不眠、耳鳴り、爪が割れやすい、髪がパサつき抜けやすいなど美容にも悪影響があります。

血を補うのに効果がある食材にクコの実、ナツメ、大豆、豆腐、納豆、山芋、人参、ほうれん草などがあります。

ストレスによる不眠や高血圧にこの漢方薬「柴胡加竜骨牡蛎湯」

柴胡加竜骨牡蛎湯は、ストレスからくる神経過敏や動悸、高血圧、動脈硬化に処方される漢方薬です。眠れない、異常に汗が出るといった場合にも効果的です。神経の高ぶりを鎮め、「肝(情緒に関係する器官)」や「心(心臓など血液の循環に関係する器官)」が過活動状態になっているのを落ち着けます。

ベースになっているのは長引く風邪や肝炎などに用いる「小柴胡湯」の処方であり、そこから甘草を除いて鎮痛作用を持つ生薬を多数追加しています。

比較的体力のある「実証」の方に向く処方です。見た目はパワフルで精力的に働いてはいるけれど、最近ストレスで眠れない、動悸や血圧の上昇が気になる、といった“頑張るお父さん”タイプの方にピッタリの漢方薬かもしれません。

柴胡加竜骨牡蛎湯の生薬について

・柴胡(サイコ)…亜急性期の解熱、解毒、鎮痛、鎮静に使われる代表的な生薬です。寒性で、熱を冷ます性質を持ちます。

・竜骨( リュウコツ)…大型哺乳類の化石化した骨です。主要成分は炭酸カルシウムで、鎮静・安神作用を持ちます。

・牡蛎(ボレイ)…イボタガキの殻で、竜骨と同じく主成分は炭酸カルシウムです。鎮静・安神の薬としてしばしば竜骨と組んで用いられます。

・黄芩(オウゴン)…肺と大腸の熱を冷まし消炎・解熱に働く生薬です。

・大黄(ダイオウ)…消化器の熱を冷まし炎症を抑えます。有効成分センノシドを含み、下剤としての働きも持ちます。

・半夏(ハンゲ)…消化器や肺に働く温性の生薬で、鎮嘔、鎮静、鎮咳作用を持ち、湿気を取り除きます。

・人参(ニンジン)…滋養強壮の重要な生薬です。胃腸の働きを補います。

・茯苓(ブクリョウ)…利水の生薬の代表で、水毒を取り除き利尿作用をもたらします。

・桂皮(ケイヒ)…体表を温め病邪を発散させる作用を持ちます。また健胃・鎮痛作用をもちます。

・生姜(ショウキョウ)…健胃作用を持ち、気の流れをよくして痛みを止めます。発散作用を持ちます。

・大棗(タイソウ)…脾を養い心を落ち着ける滋養強壮の作用があります。

柴胡加竜骨牡蛎湯の効能

柴胡加竜骨牡蛎湯の主な効能は肝・心の「清熱」と「理気」です。

漢方では、イライラや不眠、動悸や高血圧などを、肝・心に熱がたまることで起こる不調と考えています。そしてこれはストレスなどによって「気」の流れが滞り、熱が上半身に集まってしまうことで引き起こされます。

柴胡と地黄は寒性で、かつ「肝」と「心」に働く生薬です。これらはこもった熱を冷まし、炎症があればそれを引かせます。竜骨と牡蠣はカルシウムによって高ぶった神経を鎮めます。また、気をめぐらすのに大切な臓器である胃腸を人参・茯苓・生姜・経皮・大棗が補い力をつけます。

柴胡加竜骨牡蛎湯によって熱を去り、気が再び巡るようになることで肝と心も正常を取り戻し、不快な症状が引いていくというわけです。

ちなみに、同じ方意で体力がない人に向けた処方が「桂枝加竜骨牡蛎湯」です。

柴胡加竜骨牡蛎湯の使い方

「湯」は煎じ薬の意味ですが、現在では濃縮乾燥させた「エキス剤」が主流です。1日量を2、3回に分けて食前または食間に服用します。

副作用などはあるか

肝炎のクスリでもある「小柴胡湯」の処方をベースに持つ漢方薬ですが、小柴胡湯はインターフェロンとの併用が禁忌とされています。柴胡加竜骨牡蛎湯は別の漢方ですからインターフェロンは禁忌とされていませんが、当該の治療を行っている方は医師に相談した上で慎重に服用してください。

構成生薬のうち「大黄」は、下剤としての働きを持つ生薬です。下痢の傾向が強い方は、ツムラによる製剤が大黄を抜いた処方になるため、そちらを選択して用いましょう。