予告もなく突然やってくる腹痛と、お腹のごろごろした違和感、下痢は我慢できない不調のひとつです。下痢は実はいくつかのタイプに分けられ、それぞれに対応する薬膳があります。いざという時に役立つ、下痢に効果がある薬膳についてご紹介します。

寒湿タイプの下痢

冷たい飲み物やかき氷など、冷たいものの食べ過ぎや暴飲暴食、水分の取りすぎなどによって体内にある津液の代謝が供給に間に合っていない状態です。属にお腹が冷えて起こる下痢です。舌の色は淡くなり、舌苔は白っぽい状態になります。水のように水分が多い下痢、激しい腹痛、吐き気や腹部の冷え、ひどい時は悪寒、発熱などの症状を伴います。

この寒湿タイプの下痢には、にんにく、ネギ、生姜、大葉、ニラ、ピーマン、はと麦、小豆などの食材が有効です。なるべく温かい料理で取り入れましょう。柔らかく温かいおかゆにねぎや二ラなどのトッピングがおすすめです。湯豆腐に同じように薬味をトッピングするのも良いでしょう。ゆっくりお腹に食物を入れるように食べることもポイントです。

肝脾不和による下痢

主にストレスが原因の下痢です。それに加えて暴飲暴食により肝や脾の機能が低下している時によく起こります。舌の色は赤くなり、激しい腹痛や下痢、ゲップ、食欲の不振、精神的にストレスを感じたり不安感があるときにさらに悪化するなどの症状を伴います。

このタイプの下痢は、大根、えんどう豆、らっきょう、柚子、みかん、オレンジなどの食材が沈めてくれます。柑橘類が特に効果があり、ゆっくりと香りを楽しみつつ食べて気持ちを落ち着けストレスをためないようにしましょう。

湿熱タイプの下痢

湿熱の邪が大腸に入ることによって、脾の機能も低下してきます。湿熱が盛んになってくることで引き起こされる下痢です。舌の色は赤くなり、舌苔は黄色っぽい状態になります。激しい腹痛、下痢、赤痢、便の匂いが強くなり肛門周辺が熱く感じ、さらに尿の量が少ないなどの不調が現れます。激しいのどの渇きや発熱などの症状が洗われる場合もあります。

このタイプの下痢の場合、大根、へちま、冬瓜、緑豆、蓮根、はと麦などの食材が有効です。冬瓜を薄味で優しく煮た冬瓜の梅煮は温かくても冷たく冷やしても美味しく食べることができます。

腎陽虚による下痢

脾腎の機能が低下し、身体全体に不調が出ている状態で起こる下痢です。舌苔は白っぽく顔色も悪く、激しい腹痛を伴った下痢、腰や全身の冷えなどの症状が特徴です。

このタイプは、胃が付かれているため山芋、ニラ、栗、クルミ、鶏肉、羊肉、海老など胃の調子とを整えることが必要です。

病院の受診が必要な下痢

同じ下痢でもそのタイプはいくつかに分けられます。まずほとんどの場合一過性の下痢ですが、急におこる「急性の下痢」には注意が必要です。激しい腹痛を伴うこの下痢はウイルス性や食中毒の可能性があります。この場合、我慢しても治ることはなく、薬膳でも症状は改善しません。場合によっては看病してくれた人やトイレの便座を通して周りに移してしまうことになりかねません。

一方で「慢性の下痢」ですが、体重の減少や出血、便秘と下痢を繰り返すなどの症状が重なって続く場合、内臓やほかの臓器の病気の場合がありますので注意が必要です。

このような場合は薬膳を頼らず迷わず病院を受診しましょう。