薬膳と聞くと難しい印象を受けますが、紐解いてみると実はわたしたちが自然と意識していることが含まれていたりします。「四気」もその一つです。体内に食材が入ったときの寒熱性をあらわす四気についてご紹介します。

「四気」はまたの名を「四性」といいます。食材が体内に入ったときの寒熱性をあらわしたものでその程度により寒、涼、温、熱の4つに分類できます。さらに寒にも熱にも属さない穏やかな食性である「平性」をいれて、「五気」という場合もあります。

寒性・涼性の食材

涼性や寒性は体を冷やしたり、体内の余分な熱を取り除いてくれる働きをします。また、便通をよくしてくれる働きもあります。方向性はほぼ同じですが、その字の通り寒性のほうが涼性よりその作用は強いことを表しています。

野菜で言えばとうがん、はと麦、緑豆、ウコン、豆腐、セロリ、ナス、きゅうり、トマト、にがうり、ごぼう、大根、白菜、ほうれん草、などがあります。こうして見ていくと夏に旬を迎えるナスやきゅうり、トマトや二が売りなどが寒・涼の食材に属していることが分かります。これは夏場は外気がアツくなるため旬の食材を取り入れ涼を取ることに繋がっています。

海鮮ではあさり、しじみ、かに、わかめなどがあります。フルーツではバナナ、スイカ、なし、かきがあげられ、ここにも夏のフルーツ、スイカが入っています。また、砂糖でも精製された白砂糖は体を冷やすことで知られています。

温性・熱性の食材

温性や熱性は体を温め、気や血液の流れをよくして、新陳代謝を高める働きがあります。寒・涼と同様その作用は熱性の方が強くなります。

食材で言えばしょうが、ネギ、シソ、紅花、シナモン、唐辛子、コショウ、山椒、にんにく、たまねぎ、二ラなどがあげられます。薬膳の知識が全くなくてもしょうがやねぎやは体を温める食材として一般的に知られているものです。

さらにかぼちゃ、かぶ、菜の花、羊肉、鶏肉、まぐろ、サケ、エビ、栗、桃、紅茶、もち米、酒、ワインなども体を温めてくれます。全体的に秋から冬にかけて旬を迎える食材であることが分かります。砂糖で言えば精製していない黒砂糖が体を温めてくれる食材です。

平性の食材

「寒・涼」、「熱・温」があればそのどちらにも属さない「平」もあります。体を冷やしたり、温めすぎたりもせず、性質が穏やかで温和なため、体質を選ばず食べることができます。虚弱体質や病後、子どもや老人など体が弱っている人にもお勧めの食材が平です。

具体的な食材は黒ゴマ、山いも、クコの実、梅、うるち米、大豆、じゃがいも、さつまいも、さといもなどがあります。うるち米はわたしたちが普段食べているお米のことで、梅とうるち米で作ったお粥は病後にぴったりな薬膳料理と言えます。

また、しいたけ、キャベツ、たまご、牛肉、すずき、ピーナッツ、梅、イチゴ、ぶどう、りんご、すもも、いちじく、はちみつ、氷砂糖なども平性に属し、イチジクにはちみつをかけて食べる方法は体を冷やすこともなく、温めることもなく平の食べ方と言えます。

このように食材の四気(五気)を少し意識して料理することでそのときの体調に合った料理に取り入れることができます。