帰経とは薬膳の考えの中の柱のひとつです。どこを通ってどの臓器に行きついて効果を発揮するかによって様々に分けられています。

帰経とは

帰経とは食材や中薬がどのような経路を通りどの臓器に入って有効に働くかを示しています。簡単にいえば個の食材を食べるとどこでどのような効果を発揮するかを示したものです。同じ「冷える」という性質を持ったバナナと梨でもバナナは大腸経に入って熱性の便秘に効果を八気っする一方、梨は肺経に入って風邪などの咽喉の炎症などに効果を発揮するという違いがあります。

さらに大根のように肺経の痰の多い咳と脾経の消化不良など、まれですが2つ以上の臓腑・経絡に入り効果を上げる食材もあります。

肝経

肝臓は血液を貯蔵したり、脂肪の代謝や解毒をする働きがあります。このため脂肪を取り過ぎると肝臓にたまって脂肪肝になってしまいます。また、血液や気のめぐりをスムーズにしたり、消化促進をうながす作用も含まれます。

血液の量をコントロールするので、生理にともなう症状や生理痛などにも関連したり、自律神経系にも関連が深いため、イラつきやすくなったり、怒りっぽくなったり、ストレスによって下痢や便秘になったりすることがあります。

肝に帰経する食材はセロリ、芹(せり)、春菊、菊花、アサリ、シジミ、レバー、クコの実などがあげられます。

心経

心臓の最も重要な働きは血液を全身に運ぶことです。全身に血や気をめぐらせ、意識や精神の安定にも繋がっています。機能が低下するとドキドキして息切れや脈に不正が出たり、脳に酸素がいかなくなりぼーっとして物忘れが激しくなったりします。

心に帰経する食材はゆり根、なつめ、蓮の実、苦瓜、小豆、れんこんなどがあります。

脾経

胃の機能を助けて食物を消化吸収をしながら、血液や気のもとを作ります。さらに全身に栄養を送る働きがあります。水分代謝にもかかわるので、脾の機能が悪くなると体の中に水分が滞り、むくみや下痢などの症状も出やすくなります。

消化吸収する力が衰えることで筋肉や口、くちびるに変化が出やすくなります。

脾に帰経する食材にはなつめ山芋、鶏肉、じゃが芋、椎茸、フェンネルなどがあります。

肺経

水分の呼吸や代謝だけでなく、皮膚の防衛機能や免疫力にも深く関係があるのが肺です。この機能が低下すると肌にうるおいがなくなったり、アトピーや花粉症などのアレルギーを起こしやすくなったり、さらに風邪を引きやすくなってしまいます。

鼻や粘膜にも関連があるため、肺の調子が悪くなると鼻水や鼻づまり、嗅覚の異常やのどの痛みを起こしてしまいます。

肺に帰経する食材は葱、生姜、梨、柚子、白木耳、蓮根、バナナ、蜂蜜、松の実、ごぼうなどがあります。

腎経

腎は泌尿器系だけでなく、生命力を蓄える機能があります。成長発育や、老化、ホルモンの分泌にも関連があります。各臓腑の機能を促進する作用もあるため、体を温めたり、血液の生成にも関わってきます。

腎は筋力の衰えや腰のトラブル、骨の異常にも関連があります。腎の機能が下がると足腰が弱くなったり、骨折や歯が抜けてしまいます。

腎に帰経する食材には胡桃、海老、黒ゴマ、ウナギ、うどなどがあります。