春になり温かくなると悩ましいのが花粉症です。日本人の実に5人に1人が花粉症だと言われています。スギやヒノキなど原因となる花粉は様々ですが、薬膳である程度症状を抑えることができます。

花粉症とは

花粉症は中医学では風邪(ふうじゃ)の一種と考えられています。春一番の強い風に乗って花粉が多く広範囲に飛散することにより発症することや花粉症の症状が風が強く吹く日にひどくなることから「春独特の風邪」と考えられているようです。

さらにくしゃみや鼻水、鼻づまりや目のかゆみ、頭が重くだるい感じなど「体の上部」に不快症状が現れるのも、軽くて上部をおかす風邪の性質の特徴です。

花粉症は二つのタイプに分けられる

実は花粉症は二つのタイプに分けられます。目のかゆみや鼻粘膜の充血や腫れ、耳の穴の中、顔面、喉の奥など、花粉が付着した部分がかゆくなる、気温が上がる時間帯や体が温まると症状がひどくなるタイプは風熱タイプといいます。

一方で風寒タイプと呼ばれるのが透明の鼻水が出て止まらず、寝起きや冷たい空気に当たるとくしゃみが立て続けに出て、体が冷える日に症状が重くなるものです。

このように自分の花粉症の症状がどちらに当てはまるか知ることで薬膳による対策方法が変わってきます。

風熱タイプに効く薬膳

体の余分な熱を取り、炎症症状を和らげる効果のある食材を取ることが風熱タイプの花粉症の症状を和らげます。

主な食材はクコの実、はと麦、ユリ根、もやし、ほうれん草、ハチミツ、豆乳、豆腐、豚肉、ワカメ、昆布、ひじきなどがあります。

風寒タイプに効く薬膳

一方で風寒タイプの花粉症に効くのは、体を温める効果があり、花粉症のつらい鼻水のもとになっている体内の余分な水分を排出させるものやアレルギー体質を引き起こしている気虚を改善する食材です。

黒豆やきのこ、レンコン、鮭、やまいも、かぼちゃ、クルミ、小豆、白ねぎ、玉ねぎ、にんじんなどがこれにあたります。

なかでもレンコンはすりおろして熱を加えるととろみが出る性質があり、スープなどにすることによりさらに身体を温めます。とろみの物質はムチンと呼ばれ、花粉症によっていがいが乾燥したのどにもうるおいを与えてくれます。

花粉症に効く大葉としょうがのごはん

【材料】
お米…2合
はと麦…30g
大葉…8枚
しょうが…10g
酒…大さじ1/2
塩…少々

はと麦と米は洗って浸水させ、通常の水加減をして刻んだ生姜と酒、塩を入れて炊く。炊きあがったところに千切りにした大葉を混ぜ込んで出来上がりです。

大葉は呼吸機能を高めて免疫アップにいい食材です。身体を温め、鼻の通りをよくしてくれる効果のほかに気の流れをスムーズにしてくれます。

しょうがは身体を温める効果があり、汗をかくことで寒さを散らしてくれます。肺の機能を促進し、咳や嘔吐にも効果があります。特にしょうがは皮に利尿作用のある成分が多く含まれているため皮ごと刻んで使うと良いでしょう。しょうがは炊きあがってから入れると香りが立ってさっぱりとしたごはんになります。

通常の水加減より多くしておかゆにして食べることで体調が悪いときにも消化がよく食べやすくなります。身体も温まり、抵抗力も高まります。

黒豆の黒米ご飯

【材料】
米…3合
黒米…大さじ3
黒豆…お好みの量
くろきくらげ…5g
なつめ…お好みで
酒…大さじ2
水…通常の炊飯と同様

【作り方】
1.くろまめはフライパンで香ばしく空炒りします。きくらげが分量外の水で戻して軽く刻んでおきます。なつめは大きめのみじん切りにします。
2.米を研いで通常の水加減をし、酒、きくらげ、黒豆、なつめを入れて炊飯します。

黒色の食材は腎に働き、老化防止の色と言われています。黒米、黒豆、黒きくらげ、さらに血を増やす赤のなつめをあわせました。黒豆の風味は香ばしく、日本人にも好まれる味です。お好みで黒ごまを仕上げに混ぜてもよいでしょう。アントシア二ン効果で老化防止効果が期待できるごはんです。

豚肉と栗のあまから煮

【材料】
栗(甘露煮)…8個
豚バラブロック…300g
酒…100㏄
甘露煮のシロップ…大さじ2
しょう油…大さじ2
しょうが…ひとかけ

【作り方】
1.豚バラ肉は5㎝幅にカットします。鍋にたっぷりの水を入れ火にかけます。
2.1が沸騰したらさらに40~50分しっかりと茹でて取り出し、ざるにあけて粗熱を取ります。
3.鍋に油を入れて粗熱のとれた肉と栗を加えて炒め、酒を加えて30分ほど煮ます。
4.さらにしょうゆとシロップを入れて強火で煮汁がなくなるまで煮たらできあがりです。
5.器に盛って針生姜を乗せていただきます。

栗はとても栄養価が高く、薬膳の考えでは血の巡りをよくし、気を補って元気にしてくれる食材のひとつとして知られています。抗酸化作用がとても高く、腎の衰えによる腰痛や筋肉の弱まりなどアンチエイジングに効果があります。

日本ではお菓子などに使われることはあっても料理に使うことは珍しいですが中華料理では一般的に使われます。中国では古くから生薬として用いられ、実だけでなく、栗の皮や花、葉も使われるほど薬効が高いと重宝されてきました。旬の秋には生の栗が手に入るので、シロップの代わりにみりんを使いましょう。

黒ごまの蒸しパン

【材料】
小麦粉…150g
黒糖…60g
ベーキングパウダー…小さじ2
卵…1個
塩…少々
牛乳…100cc
黒ゴマペースト…大さじ2
黒ごま…大さじ2
なたね油…大さじ1

【作り方】
1.小麦粉、ベーキングパウダー、黒糖は合わせてふるっておきます。
2.卵に塩を入れてほぐし、牛乳、黒ごまペーストを混ぜてしっかりなじませます。
3.2にふるった粉を入れて混ぜ合わせ、粉がなくなったら黒ごまを入れます。蒸気が上がった蒸し器に入れて10分程蒸して中心に竹串を指してなにも付いてこなければできあがりです。

黒は滋補肝腎や養血益精にこうかがあります。黒糖の温中補虚・活血化瘀、牛乳と卵の滋陰潤燥、小麦の補益脾胃老化防止が期待できます。砂糖は白いグラニュー糖や上白糖は体を冷やします。冷えは老化の大敵です。黒砂糖であれば体を冷やすことはなく、自然な甘さとコクがプラスされます。