ほてりとひと言で言っても外的な要因であったり、精神的なものからきたりと人によって様々な原因が考えられます。薬膳では食材や中薬の組み合わせによってほてりを改善する方法があります。

陰と陽

薬膳の考えのもととなっている中医学のなかで、陽陰学があります。「陽」は機能を表し「陰」は実体を表すとされています。例えば目に見えない「気(き)」は陽に属し、目に見える「血」や「水(津液・しんえきと呼ばれます)」は陰に属します。

人体のすべてのものはは「陰」と「陽」からなっていて、本来「陰」と「陽」は変化しながら両者間でうまくバランスを取っています。しかしこれらのバランスから何らかの原因で「陰」が不足して必然的に「陽」が過剰になっている状態を「陰虚(いんきょ)」と言います。

陰虚体質とほてり

隠虚の主な原因は水(津液)の不足にあります。体内に水が不足することにより体内のバランスが崩れてしまいます。このことによって引き起こされる身体の変化で主なものがほてりです。

このような体質を「陰虚体質」といい、特に女性は高齢になるにつれてこの体質に傾いていきます。このため引き起こされるのが更年期障害で発症するほてりです。

そのほか陰虚体質で起こりやすい身体の変化には肌のカサつき、めまいや耳鳴り、足腰のだるさ、頬が赤くなるなどの症状があります。

ほてりに効く「涼・寒」の食材

季節や体調に応じたものを食べることが薬膳の食による養生です。ほてりに効くのは五行のなかでも体の余分な熱を取る「涼・寒」の食材です。涼・寒の主な食材にトマトやきゅうり、豆腐などがあります。

夏の暑さでほてった体を沈めてくれる冷奴や冷やしトマト、きゅうりなどは夏が旬の野菜です。これらの食材を適度に取り入れることによってほてりを身体の内側からゆっくりと沈めてくれます。メロンやスイカ、梨など水分が多い食材も効果的です。

ほてりに効く薬膳のポイント

<スイカや梨など水分が多く瑞々しい食材や水分を逃がさない蒸しもの、スープなどの調理法で水分を補給することが大切です。また、薬膳以外にも身体を潤してくれる陰液は夜に作られると言われています。食生活以外にも夜更かしタイプの人は陰液が作られるのを妨げている可能性がありますので生活習慣を見直して早く眠ることも大切です。

ほてりに効くさっぱりそうめんの作り方

【材料】
そうめん…3束
めんつゆ…適量
梅干し…3個
枝豆…15房
大根…適量
とろろ昆布…適量
きゅうり…1/2本
鶏ささみ…2本
みょうが…適量

茹でたそうめんのぬめりを取り、しっかりと氷で冷やして刻んだ具材としっかり冷やしためんつゆをかけてできあがりです。鶏ささみは筋を取り除き、沸騰したお湯に酒を大さじ2杯加えたところに入れて火を止め、冷めるまでそのまま置いておくと臭みもなくしっとり仕上がります。

涼・寒の食材である枝豆、大根おろし、とろろ昆布、きゅうり、みょうがをトッピングに使ったそうめんに夏バテ防止の梅干しをプラスしたほてったときに食べると涼しくなるそうめんです。鶏肉には夏バテなどで失われた食欲を増進する働きがあります。そうめんを冷麺に変えてスイカをトッピングしてもよいでしょう。